1年間で最も完成度の高い短編小説に贈られる第41回川端康成文学賞(川端康成記念会主催)は15日、大城立裕さん(89)の「レールの向こう」(「新潮」2014年5月号)に決まった。賞金は100万円。贈呈式は6月26日、東京・虎ノ門のホテルオークラ東京で行われる。89歳での同賞受賞は、2003年に受賞した青山光二さんの90歳に次いで2番目。

大城立裕さん

 同小説は、妻が脳梗塞で倒れたことから、日常と個人の記憶が不安定となる様子を描いた物語。記憶障がいのリハビリに寄り添いながら、夫婦を取り巻くさまざまな記憶が、巧みに織り交ぜられていく。

 受賞の報を受けた大城さんは「家内の病気をきっかけにして生まれた私小説。これまで2度、川端賞の候補になっているがここまで待って受賞でき良かった。彼女も喜んでくれると思う」と話した。

 県出身者では2000年、目取真俊さんが「魂込め(まぶいぐみ)」で同賞を受賞している。