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  • 南大東島に来港したクルーズ船がしけのため上陸できなかった
  • しけに慣れている島民が漁船でクルーズ船に乗り込み民謡を披露
  • 特産品のラム酒とジャーキーは島に取りに戻るほどの売れ行きだった

 【南大東】商船三井客船の大型クルーズ船「にっぽん丸」(全長166・6メートル)が11日、南大東島へ来航した。乗客約400人が島を訪れる那覇発のツアーで、しけのため上陸はかなわなかったが、島民44人が客船へ乗り込み民謡を披露。粋な計らいに乗客は大喜びで、特産品コーナーには大勢の人がわれ先にと商品を買い求めた。村によると、同村への大型客船訪問は、2002年12月の郵船クルーズの「飛鳥」以来、12年ぶり。

しけで上陸できない乗客のため南大東島民が乗り込み民謡を披露。船内は盛り上がった=11日、南大東村沖(東和明通信員撮影)

南大東島の特産品を買い求める客でにぎわう船内=11日、南大東村沖(東和明通信員撮影)

しけで上陸できない乗客のため南大東島民が乗り込み民謡を披露。船内は盛り上がった=11日、南大東村沖(東和明通信員撮影) 南大東島の特産品を買い求める客でにぎわう船内=11日、南大東村沖(東和明通信員撮影)

 島では前代未聞の人数の上陸に、村観光協会や商工会などが、1カ月前から準備。島民の車を30台以上借り上げ、運転者を募り運行シミュレーションを上陸前日に実施。土産品の増産にも追われた。

 しかし、南大東島周辺は訪問当日、波がうねっていた。乗客は当初、客船とは別の船に乗り換えて上陸する予定だったが、高齢者も多く、危険との判断で断念した。そこで、しけには慣れている島民らが7隻に分乗し、漁船ごとクレーンにつり上げられて海に下り、「にっぽん丸」へ。船の2階で特産品を販売、6階と7階で大東太鼓碧会や民謡グループ「ボロジノ娘」などが勇壮な太鼓や民謡を披露。観客は拍手喝采だった。

 乗船した仲田建匠村長は「特産品を携えて来ました。短い時間ですが、芸能も楽しんでほしい」とあいさつ。ラム酒とシージャーキーが人気で、商品を島に取りに戻るほどの売れ行きだった。横浜市から訪れた60代の夫婦は「上陸断念は何度か経験したが、訪問先の人が乗船して来たことは初めてで、驚いた」と喜んだ。クルーズ船の常連という神戸市の80代女性は「島の近くを何度か通っており、いつか平ぺったい島に行きたいと思っていた。上陸できなかったが、土産をいっぱい買えたので良かった」と話した。

 商船三井客船によると、利用者アンケートで要望が出たこともあり、ツアーを企画。県外空港から来県した客が10日から、那覇港発の3泊4日で座間味島も訪ねた。(東和明通信員)