来年11月の米大統領選が動き出した。本選は1年以上も後なので、ずいぶん早いもんだとも思うが、時を追って加熱していく選挙ムードはうらやましくもある

 ▼ヒラリー・クリントン前国務長官が正式に名乗りを上げた。支持を広げる長旅に、有権者の心を動かすフレーズは欠かせないだろう。中間層の安定を重視する政策を訴え、「イッツ・ユア・タイム(あなたの出番よ)」と語りかけた

 ▼国内の統一地方選は、政治の活力の低下を印象付けた。投票率は10知事選平均で50%を切り、41道府県議選は過去最低の約45%だった。道府県議選は全選挙区の約33%が無投票となり、選挙の空洞化懸念が深まった

 ▼「選挙離れ」は国政でも顕著だが、意思が示されないまま大事な政策が進む怖さもある。今後、議論が始まる安全保障法制も一つである

 ▼集団的自衛権行使を含む日本の防衛、自衛隊の国際活動など論点は多岐にわたる。国会議員でさえ「複雑で一部の人にしか分かっていない」という

 ▼本来、数年かけて吟味しなければならない内容だが、政府・与党は成立に向け、スピードを落とすつもりはない。戦後の安保政策を大転換するような法案である。政治だけにお任せとせず、一人一人が考え、意見する夏になろう。そう、「イッツ・アワ・タイム(われわれの出番)」である。(宮城栄作)