教育者としてあるまじき行為だ。小学校に上がったばかりの児童らが学校で最も信頼すべき担任教諭から一方的に暴言を投げつけられていた。子どもの人権や人格を無視する暴言に怒りを抑えることができない。児童らが精神的ショックを受けたのは間違いなく、心のケアが必要だ。

 石垣市内の小学校で1年生担任の女性教諭が複数の児童らに「脳みそ使えよ」などと暴言を浴びせていたことがわかった。

 学校に行きたがらない児童がいるのを不審に思った保護者が7月に子どものかばんにボイスレコーダーを入れ、教室内での教諭と児童らのやりとりを録音したことで発覚した。

 トイレに行きたいと申し出た女子児童に教諭は「駄目。授業中なのに」と言った上で、「漏れる? じゃあ漏らすー? …幼稚園生!」など強い口調で児童を責め立てる場面もある。

 臨時保護者会が24日夜、非公開で行われ、担任教諭が欠席のまま手紙が読み上げられた。教諭は「故意じゃないにせよ、子どもたちが深く傷付く言葉を発してしまったことはたいへん申し訳なく思っています」「指導する時の口調が強く子どもたちが怖がっていることを聞き、深く反省しています」などと謝罪した。

 小学校1年生、しかも1学期の出来事である。児童にとって教師は大人の見本になるべき存在であろう。

 言葉の暴力によって人格を否定され、教師が恐怖の対象になることを、教育と呼ぶことはとてもできない。

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 同市教育委員会や学校側の対応に問題はなかったのだろうか。

 市教委に同教諭の情報がもたらされたのは6月末。保護者から給食時間内に完食できなかった児童が教室外で立たされて食べさせられた、などとの電話相談だった。

 市教委から連絡を受けた学校側が教諭を指導したが、7月以降も暴言がひどい、などの訴えが保護者から続いた。担任とクラスの保護者らが話し合い、担任は改善することを約束していた。

 教諭の言葉通り暴言などが改善されたのか市教委と学校側は検証したのだろうか。

 結局、臨時保護者会が開かれたのは報道で明るみに出てからだ。保護者から情報が寄せられていたにもかかわらず、暴言に対する市教委や学校側の認識が甘く、対応が遅れたのは明らかである。

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 同教諭については児童が無理やり引きずられてけがをしたり、スクワットのようにイスに座ったような体勢を強制される「空気イス」など体罰を疑わせるような訴えも保護者会で出たという。

 記者会見で校長が認めたように、ボイスレコーダーを基に報道された事実について担任教諭に確認できていない点もある。これで学校側の調査が十分といえるのだろうか。

 間もなく2学期が始まる。学校側は担任を継続させる考えだが、調査を徹底した上で、再発防止策を取らない限り、教育現場の礎となる学校・教諭と保護者・児童の信頼関係は取り戻せない。