2017年(平成29年) 11月20日

沖縄空手

日々鍛錬、経営の力 指導の要に「敬意と礼儀作法」

【連載・空手と私】儀保宜裕さん(儀保ペイント商会社長)

 儀保ペイント商会(浦添市内間)の社長、儀保宜裕(ぎゆう)さん(79)の一日は空手で始まる。早朝に社員らとラジオ体操で体をほぐした後、工場2階の道場に出向いて黙々と蹴りや「マチワラ(巻藁)」を突く鍛錬をこなす。空手歴は約10年のブランクを除き50年余。「空手があるから元気で仕事も頑張れる」。こぼれた笑顔は健康そのものだ。(学芸部・天久仁)

門下生たちと稽古する儀保宜裕・範士十段(右)=21日、浦添市内間

会社工場内で作業を点検する儀保宜裕さん=21日、浦添市内間

儀保宜裕・範士十段(前列右から5人目)と門下生ら=浦添市内間

門下生たちと稽古する儀保宜裕・範士十段(右)=21日、浦添市内間 会社工場内で作業を点検する儀保宜裕さん=21日、浦添市内間 儀保宜裕・範士十段(前列右から5人目)と門下生ら=浦添市内間

 沖縄水産高校時代、先輩の勧めで始めた空手は範士十段に登りつめた。会社経営の傍ら1990年に開いた沖縄小林流翔武館総本部儀保空手道場で週に3日、門下生に稽古をつける。「趣味として始めて好きになり、今ではやめられなくなった」。沖縄空手古武道連盟の常任理事も務める。

 高校卒業後、琉球海運に入った儀保さんは、アメリカから米などを輸入する仕事を担当した。現地到着まで空き時間があると、何も積まれていない大型貨物船の倉庫の中で「ひたすら空手の練習に励んだ」。船から見上げたサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジの大きさ、塗装の素晴らしさがまぶしかった。

 那覇市泊に帰港すると沖縄滞在の時間をぬって、久茂地にあった松林流初代宗家、長嶺将真氏(1907-97年)の道場に通った。「体を鍛えていなければ仕事がきちんとできない」という信念があったからだ。

 30代で会社を起こした後、約10年間は四六時中、営業と施工の仕事に追われ、空手から離れざるを得なかった。会社運営が落ち着き始めたころ、近所で道場を開く小林流小林舘協会最高顧問、仲里周五郎氏(1920-2016年)の下で大好きな空手を再開した。

 空手歴50年余を数えて「体はもちろん、心も鍛えられた」。足腰の強さは同級生に自慢するほど。風邪をひくこともほとんどない。アメリカやオーストラリア、インドなど世界各地に招かれて空手を演武、指導することで見聞を広めてきた。

 一方で多くの修行を積み、技に自信を持った今でも「相手を思いやることを忘れない。それが空手の心です」と強調する。会社は創業48年を数える。経営者として、取引先との人間関係を大事にしているだけに「空手をしていなかったら会社もここまで続かなかっただろう」と感慨深げだ。

 道場で子どもたちをはじめ弟子たちの指導をする中で「何より礼儀作法が大切。上手になる子どもを見ているとよく分かる」と目を細めた。「私の教えは細く長く、が基本。何でも継続する心を持つこと」と穏やかな表情を見せた。

【全沖縄少年少女空手2017】輝くあなたが写っているかも!

 

 「沖縄タイムス フォトギャラリーDL」では、本紙が取材した大会の写真219枚をご覧いただけます。紙面に載らなかった写真も多数! 輝くあなたや家族、友人が写っているかも。がんばった証しに、仲間との思い出に、チェックしてはいかがでしょうか?

 >> https://okinawa.epitas.com/

 

あわせて読みたい

関連リンク

沖縄空手のバックナンバー

アクセスランキング

ニュース 解説・コラム
24時間 1週間
24時間 1週間

注目トピックス