年2回の「衣替え」は制服を着用する学校や企業、警察などの年中行事。本土では6月と10月、沖縄は今ごろから5月と11月

▼季節の移り目を実感できる習慣としてニュースで報じられることも多い。制服の目的である「機能性」や「統一性」が、第三者の目にもすがすがしく映るからだろう

▼けれど制服に悩む人も少なくない。性同一性障がいのAさんは、中学・高校の制服のスカートを着るのが嫌でたまらなかった。中学では我慢したが高校入学と同時にジャージ登校を通した

▼学校では毎朝のように服装指導を受け、同級生からはいぶかしげな視線が向けられた。それでも「スカートを履くよりましだった」。強い口調の裏に、制服によって受けた心の傷の深さがうかがえた

▼ズボンの好きな幼なじみが、制服のスカートをさも心地悪そうに着続けていた姿を思い出した。現在40代の彼女は、個性の一つとして仕事も私的にもズボンを通す。実に似合って彼女らしい

▼日本で女性警察官の制服にズボンが導入されたのは約15年前。スカートも併用するが、ズボン着用が広がっている。警察官という仕事を考えると、逆に、それまでなぜスカートだけだったのかと思う。「女性=スカート」という固定観念は、制服本来の目的や、着る人の納得のためにも解消したいものだ。(黒島美奈子)