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  • 新入学・入園など環境が変わる時期は、子どもの便秘症に要注意
  • 週2回以下の排便だと便漏れを起こし、引きこもりになる恐れも
  • 毎日トイレに座る、便を我慢しない、食事に気を付けるように

 「そのうち治る」と見過ごされがちな子どもの便秘症。放置するとだんだん悪くなって、便漏れなどを引き起こし、入院や長期の治療が必要になるケースもある。便漏れの不安から引きこもりになるなど、社会生活への影響も大きい。環境の変化が引き金になることが多く、入学・入園シーズンのこの時季は要注意だ。小児科医は、食物繊維の多いバランスの良い食事、トイレを我慢しない、毎日トイレに座る習慣を身につける-ことが大切だと呼び掛ける。(高崎園子)

子どもの便秘症

うんちの種類

子どもの便秘症 うんちの種類

 「診察や健診で子どもたちのおなかを触ると、うんちの塊があることが増えている。便秘症の症状があるが、深刻に捉えていない親が多い」

 30年の小児科医経験があるアワセ第一医院院長の浜端宏英(ひろつね)医師はそう指摘する。

 便の塊はピンポンボール大から野球ボール大までさまざま。複数の便の塊がある子もいる。かん腸で出した便が大きく硬くて、水洗トイレで一度に流れず、はさみで切って流すこともあるという。

■ソフトボール大

 重症例として県内では、男子中学生の直腸にソフトボールより大きい、約600グラムの硬い便の塊が見つかり、全身麻酔をして機具を使って取り出したケースがあった。

 中学生はこれまでトイレで排便した経験がなく、便漏らしが続いていた。入院してかん腸・洗腸し、下剤の服用やトイレトレーニングなど3年がかりで治療し、自力で排便できるようになった。

■我慢は悪循環に

 便秘症は、便の回数が少なかったり、痛みや出血など排便が困難で治療が必要な状態をいう。便が腸にたまりすぎて、便漏れが続く場合もある。

 4歳以上の子どもの診断基準として、トイレでの排便が1週間に2回以下、週1回以上の便漏れ-などがある。

 便は腸内にとどまると水分が吸収されてだんだん石のように硬くなっていく。硬い便を出すのは痛みを伴うため、子どもは排便を我慢するようになる。我慢しているとだんだん便意が湧かなくなり、さらに便がたまる悪循環に陥る。直腸に便の塊があると、その隙間から便が漏れる便失禁が起こる。漏れた便は液状のため、下痢と勘違いして来院する人もいるという。

■環境変化引き金

 「腸は第2の脳と呼ばれ、ストレスが腸の動きに大きく影響する」と浜端医師。

 子どもの便秘は環境の変化が引き金になることが多い。(1)母乳から人工乳、離乳食への移行時期(2)トイレトレーニング時期(2~4歳)(3)通学開始時期-に発症しやすい。

 中部徳洲会病院副院長で小児科部長の新里勇二医師は「『トイレトレーニング』のときに、うまく排便できずに親に叱られたことがトラウマになったり、逆に、親が無関心でトイレトレーニングせず、うまく排便できない人もいる。親の過保護も不干渉もいけない」と指摘する。

 ほかに「学校のトイレが汚い」「学校でするのは恥ずかしい」などの理由で帰宅まで我慢することを繰り返して、便秘症になる子も。新里医師は「排便の我慢は便秘の始まり」と警鐘を鳴らす。

 便漏れの不安から、引きこもりになったり、給食を食べられない、外食できないなど、社会生活が困難になるケースも見られる。

 便秘症の予防や改善には決まった時間に排便の習慣を付けることが第一だ。腸が活発になる朝ごはん15分後がチャンスで、家庭で、トイレに座る習慣を身につける。また、食物繊維やタンパク質、炭水化物などの栄養素をバランス良くしっかり取ることが大切になる。