青森市の中学2年生、葛西りまさんが、いじめ被害を訴えて自ら命を絶ったのは1年前の8月25日。2学期の始業式の翌日だった。 

 いじめを苦に自殺した子どもの18人の写真や言葉を紹介するパネル展が、今月26、27の両日、青森市内で開かれた。

 子どもの自殺が繰り返されないことを願った展示でもあり、りまさんの写真と詩も飾られた。

 2015年に内閣府が発表したデータによって、夏休み明け前後に子どもの自殺が急増する問題が広く共有されるようになった。

 過去42年間の18歳以下の自殺者数を日付別に分けたところ、9月1日前後が突出して多かったのだ。「休み明け直後は大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすい」と分析する。

 いじめや友だちとの関係など抱えきれないほどの悩みがあり、登校することに絶望を感じていた子がいたのだろう。家にも居づらく、心理的に追い詰められていったのかもしれない。

 子どもの自殺の原因は「家族からのしつけ、叱責(しっせき)」といった家庭生活によるもの、「学業不振」など学校生活に起因するものが多いといわれるが、要因は複雑に絡み合っている。

 大人にとってささいと思われることが、思春期の子どもには重大な出来事という場合も少なくない。

 パネル展を主催したNPO法人の理事は「大人はいじめへの認識が甘い。子どもたちのメッセージから何かを感じてもらい、救ってほしい」と語った。

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 児童館の全国組織「児童健全育成推進財団」は今月中旬、子ども向けに「児童館にいってみよう」との緊急メッセージを発表した。

 全国約4600カ所の児童館に協力を依頼し、「居るところがなかったら、児童館にいってみよう」「がまんできないほどしんどくなる前に、児童館にいってみよう」と呼び掛ける。

 子どものための電話相談「チャイルドライン」も、この時期、対応時間を拡大。NPO法人チャイルドライン支援センターは、ウェブサイトで相談を受けている。

 休み明けの登校がつらい子の気持ちに寄り添おうと、施設を開放し居場所をつくったり、相談を強化する動きが広がっているのだ。

 「気にかけているよ」とのメッセージを発信するとともに、大人一人一人が子どものSOSを受け止める感度を高めていく必要がある。

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 2学期制をとる県内の多くの学校で、きょうから1学期後半がスタートする。すでに授業が始まっているところもあり、教室や校庭に子どもたちの歓声が戻ってきた。

 しかし今この時も、学校に行くのがつらいともがき苦しんでいる子がいるのではないか。一人でいじめと闘っている子がいるのではないか。

 学校以外にも居場所はあるよ。社会にはいくつも相談窓口があって、応援する大人がいるよ。

 悩みを打ち明ける勇気をもってほしい。