内閣府は2018年度の沖縄関係予算の概算要求額を3190億円とする方針を固めた。国の直轄事業が軒並み増額する一方で、県が要望する鉄軌道の事業化はかなわず、大型MICE施設建設の来年度着手も厳しくなった。辺野古新基地建設に反対する翁長雄志知事と政府の対立の影響が概算要求に色濃く反映されたとの見方が強まっている。(東京報道部・上地一姫)

内閣府の沖縄関連予算

 政府は、米軍基地の跡地利用を除いて、基地問題と振興策のリンクを否定している。しかし、一括交付金が創設された12年度の予算は前年度と比べ636億円増え、辺野古沿岸の埋め立て申請を承認した直後の14年度には459億円増えた。いずれも仲井真弘多前知事時代で、基地問題を巡る思惑から政権側が大幅に増やしたとされる。

 一方、17年度予算で内閣府は、一括交付金の不用額や繰越金の多さなどを理由に減額した。仲井真前知事時代にあった「配慮」を削ったというのが実情で、18年度予算では、その傾向がさらに顕著になりそうだ。

 政府関係者は「辺野古のサンゴを移植する事務手続きすら認めないのに、予算を増やしてと言うのは都合が良すぎる。これでは他都道府県に説明がつかない」と漏らした。

 一方で、西普天間住宅地区跡地の沖縄健康医療拠点の整備や沖縄独自の給付型奨学金などを新規で計上し、子どもの貧困緊急対策や離島活性化事業などの予算は増額し、政府の沖縄「重視」の体裁は整えた。

 予算が基地問題との駆け引きに使われてきた面は否めない。財源は基地被害を受ける県民や国民が納めた税金だ。16年度の県税の収入額と収入率はいずれも好景気を受けて過去最高となった。

 復帰から45年もたち、県経済が拡大しているいまだからこそ、駆け引きから脱する契機とする時期ではないか。「(交付金減額は)政府の圧力だ」「知事が変われば増える」などと、県内で反目し合うほど、政府がほくそ笑むことになる。