22日の午前中、都心でやたらとヘリコプターが飛ぶ音が聞こえた。上空から何の取材かと思ってテレビを見ると落ちている小型無人機「ドローン」が見つかったという。それも国の中枢施設の中でも最重要の首相官邸の屋上であった

▼小型カメラに発煙筒、放射線を帯びた容器も取り付けられていた。直ちに人体に影響がある線量ではなかったが、何者かが意図的に飛ばしたとの疑いもあって、見過ごせない

▼飛ぶ音がハチに似ており、オスのミツバチを意味する名前がついたという。もともと軍事目的で開発された。近年はカメラ内蔵の一般向け製品が低価格で買え、普及が急速に進む

▼通常は見られない角度の映像を撮って楽しめる。人が立ち入れない災害現場や警備、宅配などでも導入が検討され、さまざまな効用に期待が集まっている

▼技術革新が新たなリスクと背中合わせなのは宿命でもあろう。墜落事故でけが人も出ている。盗撮によるプライバシー侵害などのトラブルも懸念され、テロに使われれば大変である

▼古い俗謡にある。〈二つ良いことさて無いものよ 月が漏るなら雨が漏る〉。月明かりが風流に漏れる穴からは、雨も漏れ落ちる。世の中、良いことばかりとは続かず、問題も次々に起こる。政府は対策の検討を加速する。利用のルールづくりが急がれる。(宮城栄作)