2014年度(14年4~15年3月)に沖縄を訪れた観光客数が716万9900人となり、初めて700万人を突破した。14年は暦年(14年1~12月)でも705万人余と大台に乗せており、あらためて沖縄観光の好調ぶりを示した格好だ。

 沖縄の入域観光客数は、初めて100万人を超えた1975年度以降、100万人を上乗せするのに5~10年かかっていた。しかし、今回の700万人はわずか1年で達成。伸び率の9%も過去10年で2番目に高くなっている。

 全体を押し上げたのは外国人観光客の増加で、前年度比57・2%増、1・6倍近くの98万6千人を記録、年間100万人に迫る勢いだ。全観光客数に占める割合は13・8%で、7~8人に1人が外国人観光客という割合になる。

 街を歩いても、外国人観光客の多さが目立つことに合点がいく。首里城や国際通り、美ら海水族館といった観光地だけでなく、沖縄都市モノレールの混雑や大型ショッピングセンターのにぎわいなど県民の生活圏で多くの外国人を見かけるからだ。

 外国人観光客の中でも全体の36・7%を占める台湾の観光客約36万人を筆頭に、韓国約19万人、香港約14万人、中国約13万人が4強で近隣の東アジアから集中している。

 要因の一つは沖縄を結ぶ航空会社や格安航空会社(LCC)の新規就航や増便だ。沖縄の魅力を多方面からアピールする県の「Be.Okinawa」戦略で路線誘致を進めたことも奏功した。

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 航空各社が路線を拡充する背景には、日本政府の金融政策で円安基調が継続し、海外旅行者が日本や沖縄旅行に対して割安感を持ち、旅客需要が伸びるという期待がある。

 実際、円は米ドルに限らず台湾ドル、韓国ウォン、中国元、香港ドルの各通貨に対して3~5割安くなった。自国の通貨が強くなった海外旅行者がショッピングや飲食、宿泊、レジャーでどう消費したのか、今後まとまる14年度の観光収入、観光客1人当たりの消費額を注目したい。

 一方で、沖縄側の課題も山積している。

 県が今年1~2月に実施した調査で、土産品店や小売業者など観光事業者の5割超が「外国語が理解できずに困った」と回答した。2月には中華圏旅行客の春節と国内客のプロ野球キャンプ需要が重なり、宿泊施設が不足する状況に陥った。こうした事態に対応を誤れば、好調な海外客の流入に水を差しかねない。

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 観光はかつて、内外の動向に影響を受けやすいという意味合いから「水もの」と言われた。9・11同時多発テロなどの影響はあったものの、その後、着実に入域客を増やし、観光収入も4千億円超の基幹産業に発展している。

 今後も足腰が強く、持続可能なリーディング産業として発展、成熟させるためには、裾野が広い分、関係機関との調整、連携が不可欠だ。ソフト、ハードの両面から外国客の受け入れ態勢をあらためてチェックし、的確に対応できる観光都市を目指したい。