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  • 働きアリの情報伝達の方法は、アリ同士の口移しによるものだった
  • 琉球大学などの研究チームが発表。「高度な情報処理能力あるかも」
  • この仕組みを応用すれば、ヒアリの防除・駆除につながる可能性も

 琉球大学などの研究チームは30日までに、働きアリが共生関係にあるアブラムシの情報について、口移しで他のアリに伝えていることを世界で初めて明らかにしたと発表した。同チームで琉大農学部の辻和希教授(55)は「研究成果は、アリ社会の秩序だった集団行動のメカニズムの一端を説明するものになる。研究を応用すればヒアリの防除、駆除につながる可能性がある」と説明している。

アブラムシの出す甘露をなめるトビイロシワアリ

アブラムシ経験のあるアリから未経験アリに口移しで情報伝達

アブラムシの出す甘露をなめるトビイロシワアリ アブラムシ経験のあるアリから未経験アリに口移しで情報伝達

 同研究では、トビイロシワアリの働きアリが、蜜(甘露)を出すアブラムシの種に対して、蜜をもらった経験で攻撃することが少なくなる共生的な振る舞いを示すことを確認。さらに、蜜を出すアブラムシとの接触経験がないアリでも、経験のあるアリから口移しを受けた場合、共生的に振る舞うようになることが判明した。

 ヒアリ研究でも知られる辻教授は「アリ同士が口移しで栄養交換することを応用し、ヒアリがおいしいと感じる味やにおいを用いて毒エサにするなど、防除、駆除にもつながる可能性もある」と説明する。

 同大の林正幸研究員(31)は「6年間の研究によってこの事実を明らかにした。アリのような小さな虫にも、私たちが思っているよりもはるかに高度な情報処理能力が備わっているかもしれない」と話し、「今後はアリ同士でどのような情報が伝わっているのか、口移しの際に何が起こっているのか、さらに明らかにしたい」と意欲を示した。

 同研究成果は同日付で、国際的な科学ジャーナル「英国王立協会紀要」にオンラインで掲載された。