石垣市内の小学校で1年生担任の女性教諭が複数の児童に発した暴言を巡り、学校側は24日の臨時保護者会で「行き過ぎた指導だった」などと謝罪した。ただ、担任は体調不良で欠席したため、保護者らが望む事実確認の多くは宙に浮いたまま。「空気イスをさせた」など体罰を疑わせる訴えにも未確認との説明に終始した。一方、翌25日の市教委による学校側への聞き取りでは、学年主任が「空気イス」の事実を把握していたことが判明。保護者への説明との矛盾があった。十分な調査や情報共有の弱さが浮き彫りとなり、保護者らに不信感が広がっている。(八重山支局・新垣玲央)

暴言の問題を巡り、教育委員会として対応の遅れを認めて謝罪する石垣安志教育長(中央)=石垣市教育委員会

 問題発言は7月。学校を嫌がる児童がいるのを不審に思った保護者がボイスレコーダーを子どものかばんに入れて録音し、発覚した。1学期最後、終業式の日だ。

 この1日で記録されたのが、1年生への「脳みそ使えよ」などの言葉。トイレに行きたいと申し出た女児を「駄目」「じゃあ漏らす?…幼稚園生!」などと責め立てる場面もある。

◆訴えも響かず

 担任に関する相談が関係機関や学校に相次いだのは夏休みに入ってから。被害児童らの保護者をはじめ1年のPTA役員らは事実確認で担任や校長らと面談した。

 だが当時、担任は「一切言っていない」などと否定し、校長は「子どもが大げさに言ってるだけ」などと言って取り合わなかった-と、複数の保護者は訴える。

 ある保護者は学年だけで保護者会を開くよう訴えても響かず、マスコミ報道後の臨時保護者会で一転して謝罪したことに「中途半端。あんなに否定して調査もない。これで終わらせるのか」と憤る。

 一方、市教委の具体的対応は匿名の手紙や電話が相次いだ後の8月中旬ごろ。24日の市教委定例会では石垣安志教育長が対応の遅れを認めて謝罪した。事実確認を急ぎ、指導を徹底するという。

◆傷ついた児童

 「ここまでこじれてしまったのは、先生たちが非を認めず、謝らなかったことが原因ではないか」。臨時保護者会では、ある保護者がそう指摘した。問題は学校側の「対応の遅れ」ではなく、その姿勢にあった感はぬぐえない。

 保護者会では、イスがあるように座る体勢を維持させる「空気イス」など新たな問題も浮上。市教委によると学年主任は担任から「何度注意しても聞かず、イスの大切さを教えるためにやった」などと聞いていたと明かしたという。

 一方、被害女児は「言うこと聞かなかったらこうなるからな」などと学級で「悪役(見せしめ)なった」「足が痛かった」と保護者に訴えており、心の傷は深い。

 保護者会では「熱心な先生」などと擁護する声も上がったが「子どもが被害を受けたと言えば親は信じるしかない。子どもの一言一言、まず子どものことを信じてほしかった」との指摘もあった。学校側の姿勢に向けられた言葉だ。

 そんな声を学校や市教委はどう受け止めるのか。傷ついた子らの心のケアはもちろん、保護者が納得できる説明責任が求められる。