沖縄県久米島町山里で農家の人たちが営む農産物直売所「山里ゆんたく市場」で1、2週間おきに数日間、1日10食に限って1個300円で販売している果物入り手作りアイスクリームが静かに人気を集めている。7月から総務省「地域おこし協力隊」として農産物の地産地消に取り組む小宮山純さん(26)=山梨県出身=が発案した。(南部報道部・堀川幸太郎)

水っぽくならないように、かつ自然に色がにじみだすように仕込んだパイナップルアイス。上のミントも久米島町山里産だ

久米島町の農産物を使ったアイスクリーム作りを発案した、地域おこし協力隊の小宮山純さん。SNSによる情報発信にも余念がない=日、町山里の「山里ゆんたく市場」

水っぽくならないように、かつ自然に色がにじみだすように仕込んだパイナップルアイス。上のミントも久米島町山里産だ 久米島町の農産物を使ったアイスクリーム作りを発案した、地域おこし協力隊の小宮山純さん。SNSによる情報発信にも余念がない=日、町山里の「山里ゆんたく市場」

 8月中旬には3日間、パイナップル入りが登場した。果肉のほどよい甘みと食感が、生クリームをふんだんに使ったアイスクリームと調和。しゃりしゃりとせず、滑らかな舌触りと濃厚な味わいだ。果肉だけをごく弱火で煮詰め、あんばいを見極めて水気を飛ばしているからこそだ。

 丁寧な下ごしらえが素材の味を引き出す。マンゴーの時には種や皮沿いの、特に風味豊かな部分をスプーンでこそぎ取った。パッションフルーツは種を一つ残らず取り除いてアイスクリームに仕立てた上で、もともとの食感を楽しんでもらおうと実を添えた。

 直売所に並ぶ品を鮮度がいい間に使う。「直売所のお母さんたちは、おいしい部分をよく知っている。どう使うかも工夫を惜しまない」と小宮山さん。「皆で試食してみて、納得できない時には出さない」ほど、こだわりもある。

 小宮山さんは大学卒業後、「自分で食いぶちをつくりたい」と、会社員ではなく富士山の見える実家で民泊を営む道を選んだ。SNSで情報発信にも取り組むうち、人口約1600人の徳島県上勝町で、四季折々の木の葉を料亭の料理の添え物などとして出荷しているビジネスを知って興味を持った。実際に現地で働き、「お年寄りたちがスマホで注文を受け、高値の付く葉を手際よく、丁寧に出荷する姿」に、過疎に負けない地域の底力を見た。

 同町から視察で訪れたのが縁で働くことになった久米島では、地産地消を進める第1弾としてアイスクリームに農産物を加工して使おうと考えた。実家で料理の得意な祖母からレシピを学び、約1カ月間、ほぼ毎日、仕込みと近所の人々の試食を繰り返して味を調えた。

 小宮山さんは「商品に名前を付けるなら『ゆんたくアイス』。人と人の距離が近い島で、食べて、おしゃべりもして、元気な島の味を広く知ってもらえたら」と意気込んでいた。

 山里ゆんたく市場は町山里352の1。午前10時~午後7時で、不定休。電話098(987)1301。