駐留軍用地として接収されたキャンプ瑞慶覧泡瀬ゴルフ場跡地(北中城村)が、生まれ変わり新しい街として本格的に動き始める。21日には「街びらき」が行われ、25日には県内最大の売り場面積を持つ「イオンモール沖縄ライカム」がオープンする。

アワセ土地区画整理事業計画図

25日の開業に向け、社員や付近住民らによる植樹が行われたイオンモール沖縄ライカム=3月29日、北中城村(イオン琉球提供)

新垣邦夫北中城村長

アワセ土地区画整理事業計画図 25日の開業に向け、社員や付近住民らによる植樹が行われたイオンモール沖縄ライカム=3月29日、北中城村(イオン琉球提供) 新垣邦夫北中城村長

■沖縄県内最大の商業施設 集客目標年1200万人

 泡瀬ゴルフ場跡地は北中城村比嘉の国道330号と沖縄環状線が交わるライカム交差点付近の東側47・9ヘクタール。太平洋を見下ろす高台に位置する。沖縄自動車道の北中城インターチェンジ(IC)と沖縄南ICに近く、アクセスに恵まれ広域集客が可能だ。

 跡地利用計画は、観光、健康、環境、防災の「3Kプラスワン」がコンセプト。地区内はイオンモールが立地する「複合商業交流施設地区」のほか「医療福祉地区」「健康スポーツ交流地区」「中高層住宅地区」「低層住宅地区」などに分かれる。村では周辺市町村にも経済効果が及ぶとし、開発完了後の県全体の経済効果は、242億円に上ると試算している。

 沖縄初進出のイオンモール(千葉県、吉田昭夫社長)が「東南アジアを代表するリゾートモール」を目指す施設は地上5階建て。売り場面積約7万8千平方メートルは県内ショッピングセンターで最大規模。従来の県内最大ショッピングセンターの約2倍、敷地面積(約17万5千平方メートル)はセルラースタジアム那覇の約7個分に相当する。約4千台収容の駐車スペースも整備する。

 モールではグルメやエンターテインメントも充実させ、地元客、国内外の観光客を合わせ、年間の集客目標は約1200万人。飲食店のほか、衣類、雑貨、化粧品、高級菓子店など220店舗が入居し、県内初出店は70店に上る。世界各国の料理を集めるほか1年を通したイベント開催などで地元客だけでなく、国内外の観光客も呼び込む。観光コンシェルジュ、北中城村観光案内所、外貨両替、レンタカーなどが集積し沖縄の旅をサポートする機能も備える。

 複合商業交流施設地区を皮切りに、北側の医療福祉地区には中部徳洲会病院が新築移転(2016年4月開院予定)する。東側の健康スポーツ交流地区には、固定座席で3千人規模の多目的アリーナを計画。防災拠点としても重要な役割を担うことになる。南側の住宅地区はマンションなどの整備で約4千人の居住も見込まれ、村人口を2割ほど押し上げる可能性がある。

■近隣と連携し発展図る

新垣邦男・北中城村長に聞く

 -間もなく開業する県内最大級の商業施設イオンモール沖縄ライカムに期待することは。

 中部圏域に集客拠点ができるということ。これまで、那覇と北部の間で、観光客は素通りだった中部に人が来る。人が来れば雇用が生まれる。小さな村だけでは足りないはずなので、近隣市町村への雇用の効果が大きいのではないか。

 モールにきた客は、北中城村だけで収まるものではない。北谷町に宿泊して、夜は沖縄市で遊ぶなど、客は動くだろう。近隣他市町村と連携していきたい。

 この場所は、軍用地跡地の開発としては順調に利用できたと評価している。返還から5年以内にめどをつけようとずっと言ってきた。当初「できない」と言われてきたが、地主のみなさんが一貫して団結して取り組んだことも良かった。

 -この地区の、まちづくりは。

 コンセプトは健康・観光・環境・防災。

 「健康」は、ここに中部徳洲会病院ができる、というだけのものではない。健康長寿は、もともと村が目指すところ。モールの地区に隣接する地区には、体育館とアリーナを造る。運動ができるのはもちろんだが、防災拠点として災害時には避難所にもなる。

 「観光」は、イオンモールに来た観光客が買い物の後、ふり返ると「歩いてゆっくり回れる癒しの村」が広がっている、というイメージが定着すればと思う。「女性長寿日本一」の実績がここでも生きるだろう。

 「環境」への取り組みは大部分はこれからだが、南側につくる住宅地を広く余裕のあるものにしたい。「ここができて、環境が悪くなった」と、ならないように整備していきたい。

 全体としては、これまでと変わらず、さりげなく、なにげなく、品良く、「北中城村」らしくいきたい。

 そのためにも、健康対策事業や一次産業をしっかり育て、自分たちで生産力を高め、付加価値をつけていけるようにしたい。

■共存し村おこしを 安里邦夫・村商工会長

 イオンモール沖縄ライカムの誕生で相乗効果というか共存共栄し、明るい村おこしができると思う。地域活性化がはかれるだろう。

 一つには、モールの玄関に北中城村観光案内所「北中城村トラベルマート きたポ」を商工会の運営で開く。村内の名所「中村家」をイメージした赤瓦の民家風に仕上がった。村のガイドブックやパンフレット、イベントの紹介だけでなく近隣市町村もアピールして、イオンを入り口に村内や広く中部圏域に観光客を招き入れ、滞在型観光をしてもらう流れがつくれる。特産品の展示販売もする。

 北中城村は、地理的にすぐれ、世界遺産の中城城跡もあるが、これまでは、どちらかというと通過するところだったが、これから変わるだろう。きたポでは多言語で対応できるようにするし、商工会でも語学研修にも取り組む見通しがついた。村では1次産業の振興を目指しているので、われわれはそれを生かした加工品や独自のカフェメニューの開発などでアピールしていきたい。

 イオン誘致が決まった当初は会員に不安もあったが、何度も勉強会や研修を開き、さまざまな意見を出し合い、提案もしてきた。会員の気持ちを一つに取り組めていると思う。施設を通して地元をアピールし続けることができるだろう。