県内最大規模のショッピングモール「イオンモール沖縄ライカム」が、きょう北中城村の米軍泡瀬ゴルフ場跡地にオープンする。

 米軍基地跡地にまた新たな商業施設が加わることになるが、沖縄ライカムは県内ではかつてないスケールで、各方面の注目を集めている。

 約17万5千平方メートルの広大な敷地面積は、セルラースタジアム那覇の約7個分に相当する。売り場面積7万8千平方メートルは、これまでの県内最大店舗の約2倍の規模となる。

 テナントは220店舗で、うち70店は県内で初出店だ。飲食をはじめ、衣類や雑貨、化粧品、高級菓子などバラエティーに富む業種が並ぶ。

 モール全体の雇用は3千人で、入居テナントは人員確保のため県内相場より高水準の時給を設定するなど、県内の雇用環境にも影響を及ぼしている。

 「東南アジアを代表するリゾートモール」をコンセプトに、広々とした吹き抜けや観賞用大水槽など、店内はリゾート感覚たっぷりの演出が施されている。観光客も含め年間1200万人の集客を見込んでいる。

 本島中部圏域に誕生するかつてない規模の商業施設が県内の小売り・流通業界に及ぼすインパクトは大きい。一方、周辺の商業地域は、顧客流出による売り上げ減少に懸念を抱いている。

 ただ、中部に人の流入が増大することは確実だ。その流れをどう引き込むか、周辺地域の取り組みが問われてくる。物産や観光資源などを有効に活用する工夫が必要だ。

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 米軍泡瀬ゴルフ場跡地は、1996年に返還合意された約48ヘクタールの土地。2010年に返還され、原状回復期間を経て13年に地権者に土地が引き渡された。

 土地の引き渡しから沖縄ライカムの開業まで2年という短期間で跡地利用にめどがついた事例は、今後のモデルケースとなり得よう。村や地権者が、返還前の早い段階から企業誘致や計画策定に取り組んできた成果である。

 跡地利用では、沖縄ライカムを核に、中部徳洲会病院が新築移転するほか、防災拠点を想定した村立アリーナ、低層や高層の住宅地区などを計画している。

 那覇新都心地区や北谷町(ハンビー、美浜地区)に続く返還軍用地の跡地利用のモデルケースとなろう。脱基地経済促進の試金石として、今後の発展に注目したい。

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 返還軍用地の跡地利用で商業型開発が成功事例として挙げられる一方、市場規模が一定水準で推移すれば、県全体ではパイの奪い合いとなる。沖縄ライカムは県外、海外からの誘客にも力を入れる戦略であり、市場規模の拡大に期待したい。

 北中城村では、沖縄ライカムの開業を中部地区全体の経済発展につなげたいとする。

 巨大モールにはモールの魅力があり、地域には地域の魅力があるはずだ。それぞれの長所を生かしながら、共存共栄を図る道を探ってもらいたい。巨大モールの開業は、その意味でも、大きな試金石となる。