内閣府は2018年度の沖縄関係予算の概算要求をまとめ、財務省に提出した。

 要求額は3190億円となった。大幅減額となった17年度当初予算に比べ、40億円増えた。ただ、17年度予算では3210億円を概算要求しており、概算要求でみると16年度から3年連続の減額となっている。

 翁長雄志知事が就任し予算に本格的に関わるようになってから、要求ベースでは減額が続いているということになる。

 沖縄振興策と基地問題の「リンク論」が政権や与党内であからさまに語られるようになる中、名護市辺野古の新基地建設計画に反対する翁長県政と、計画を推進する政府との対立が予算に色濃く反映された形となっている。

 要求項目をみると、沖縄科学技術大学院大学など国の直轄事業は増額したが、県の事業採択の自由度が高い一括交付金は105億円減の1253億円となり、17年度に続き大幅な削減となった。

 国の事業を増やすことで、安倍政権がアピールする「沖縄重視」の体裁は保った。逆にその分、沖縄の自治の充実のため創設された一括交付金が減り、沖縄側の裁量の範囲が狭められる結果となった。

 政府のコントロールを強めるため、地方にとって自由度が高い予算を「操作」の道具としてはいまいか。そう見られても仕方のない要求額である。沖縄予算を、政府の意向に従わせる道具として利用することは、憲法が定める「地方自治の本旨」に反すると、改めて指摘しておきたい。

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 一方、子どもの貧困対策や離島活性化推進など、沖縄社会の厳しい現状に対応した事業の増額や、人材育成事業として給付型奨学金を新設したことは評価したい。

 奨学金は、リーディング産業の観光や情報通信産業に就く目的で専門学校へ進学する学生のために創設される。対象者は低所得層の学生で、300人規模を想定している。

 主要産業を担う人材を多く育てて、沖縄経済の持続的な成長を後押しし、低所得層の支援によって、沖縄社会の質的な底上げにもつながる。長期的展望を持った支援とし、その成果に期待したい。

 3年目となる子どもの貧困対策では、子ども食堂などの居場所づくりや支援員の配置をさらに進める。離島活性化も、情報通信技術を使った教育の推進や定住環境整備も支援する。厳しい状況を転換し、より豊かに生活できる社会づくりにつなげてほしい。

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 10年単位の沖縄振興計画「沖縄21世紀ビジョン基本計画」(2012~21年度)は、本年度から折り返しを通過し、後期に入っている。

 経済振興だけでなく、子どもの貧困対策や教育格差の解消、離島振興など、対応すべき課題は山積している。

 一括交付金の減額が続くことに、県内からは「厳しい数字だ」などと、先行きへの不安が語られる。予算をかけて対処すべき地域課題は多くある。予算額自体に一喜一憂せず、県には主体的に必要な事業を整理、立案し積み上げていくことが求められる。