辺野古新基地建設に反対する政党や市民団体でつくる「オール沖縄会議」が国際的な平和賞を受賞することが決まった。「軍事化や米軍基地に反対する非暴力の取り組み」が評価された。

 非暴力の抵抗を続けている辺野古の現場に座り込む人たちには大きな励みとなる。反対している多数の県民にとっても喜びである。

 受賞するのはドイツの国際平和団体「国際平和ビューロー」(IPB、ベルリン)のショーン・マクブライド平和賞である。

 同賞は、平和や軍縮、人権分野で卓越した功績を挙げた個人や団体に贈られ、これまでに日本原水爆被害者団体協議会(被団協)や平和市長会議が受賞している。

 IPBは戦争のない世界を目指し1891年に発足。1910年にはノーベル平和賞を受賞した。会長を務めた故マクブライド氏は人権に強い関心を持ち、アムネスティ・インターナショナルの設立にも参加、自身もノーベル平和賞を受賞した。マクブライド平和賞は同氏の功績をたたえ、92年に創設された。

 オール沖縄会議は2015年12月に結成。辺野古における抗議行動の支援を目的の一つとして運動を支えた。受賞を追い風に国際世論への働き掛けを強めてもらいたい。

 日米両政府は沖縄の民意を無視して新基地建設を強引に進めている。政治的表現の自由を弾圧するような強制排除もあるが、世界基準からみればオール沖縄会議の非暴力の抵抗こそが、まっとうであることを知るべきだ。

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 新基地建設を巡って国と県の対立は深まるばかりだが、沖縄の運動は決して孤立していない。

 元県知事の大田昌秀さんがイタリア人活動家から贈られたという「壁の向こう側に一人でも多くの友人をつくりなさい」との言葉を思い出す。

 オール沖縄会議は、国際世論に訴える役割も実践している。8月に2度目の訪米団を派遣したばかりだ。

 約66万人の組合員を取りまとめるアジア・太平洋系アメリカ人労働連合(APALA)に働き掛け、新基地に反対する決議をした。

 退役軍人ら8千人を擁し、辺野古で座り込みをした平和団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」も新基地計画の撤回を米政府に求める決議をした。

 IPBは「現在の運動を支援したい」とも言及しており、新基地反対の国際的な連帯の輪は広がっている。

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 辺野古の座り込みは1日、1153日を迎えた。

 沖縄戦を体験した高齢者らを辺野古に駆り立てているのは、再び戦前に逆戻りしてしまうのではないかとの歴史体験からくる危機感である。共通しているのはクヮンマガ(子や孫)のために、二度と沖縄を戦場にしてはならないとの痛切な思いである。

 授賞式は11月24日、スペイン・バルセロナで開かれる。平和賞は辺野古で続く非暴力による闘いへの支持である。今後とも新基地に反対する正当性を粘り強く内外に発信していくことが重要だ。