厚生労働省が作成した「全国待機児童マップ」。待機児童が多い都道府県はオレンジやピンクなど赤色系で塗りつぶされ、深刻度が一目で分かる。

 首都圏や近畿圏など都市部で目立つ赤が、地方では沖縄で浮き上がっている。人口比でみると、沖縄は全国一公的保育所が足りない自治体である。

 厚労省は希望しても認可保育所などに入れない待機児童が、今年4月時点で昨年より2528人多い2万6081人だったと発表した。3年連続の増加だ。

 都道府県別では東京が8586人と最も多く、沖縄の2247人、千葉の1787人と続く。

 増加は保護者が育児休業中のケースの一部を対象に加えた定義見直しも一因とされるが、当初、政府が「待機児童ゼロ」の目標達成時期に掲げていたのは、本年度末だった。

 政府も自治体も、保育ニーズの把握が不十分で、対策が後手に回ったことを大いに反省すべきである。

 それにしても沖縄の状況は慢性的で深刻だ。

 全国で待機児童を50人以上抱える市区町村は、全体の7%ちょっとに当たる128。それが県内は約3分の1の14市町村に上る。

 戦後、米軍統治下に置かれた影響で保育施策が立ち遅れた事情は理解しつつも、育休を利用できない不安定雇用や困窮世帯、母子家庭の多さを考えれば、先送りできない課題である。

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 県内で待機児童が最も多かったのは沖縄市の440人、次いでうるま市の333人、浦添市の236人、那覇市の200人。

 保育所を新設し改善につなげた自治体もあれば、受け皿増が潜在的需要を掘り起こしいたちごっこが続く自治体もある。

 この4月、那覇市では、希望する認可園に入れなかった子どもが640人いたにもかかわらず、新設園などを中心に700人余の定員割れが生じた。新設した地域と保護者ニーズとのミスマッチが指摘された。

 待機児童が一挙に約200人増えたうるま市は、施設整備に伴う保育ニーズの掘り起こしや、開設に適した土地・物件の確保が困難だったことなどを要因に挙げている。

 潜在的待機児童数をしっかり把握した上で、地域別、年齢別の保育需要を押さえ、整備計画をブラッシュアップすることが重要だ。

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 共働きが主流となる中、子どもを希望する保育所に預けられるかどうかは、親にとって切実な問題である。

 子育て世代は数が少なく、次々と入れ替わっていくため、まとまりにくい面があるが、子どもを産み育てやすい社会をつくるため、もっともっと声を上げた方がいい。

 行政には小規模保育施設や事業所内保育所の整備、保育コンシェルジュの配置、保育士の待遇改善など、とれる対策をスピード感をもって打ち出してもらいたい。

 「ワースト」返上には大胆さが必要だ。