通勤ラッシュが過ぎたお昼前のバス停は、がらりと風景が変わる。乗り口でステップを上がるのも一苦労のおばあちゃんを、乗客が後ろから支えたり、運賃を支払う間の荷物を持ってあげたり

 ▼ひと頃と違って運転手さんは客が座るまで発進させないし、降りるときに時間がかかっても、あからさまにいら立ちを示すことは少なくなった。庶民の息遣いがあふれる公共交通機関として、PR通り「わった~バス党」を思わせる

 ▼その路線バスが、27日からICカード乗車券OKICA(オキカ)を導入した。ゆいレールに続くもので、客は財布に小銭が無くても困らないし、乗り継ぎも便利。乗り降りの時間も短縮するだろう

 ▼ところが、利用者の一部から不満の声が上がっている。導入に伴い、15%割り引く回数券の販売を終了させたからだ。月の利用が4万円未満だと、オキカのポイント還元率よりお得なため、実質上の値上げになる

 ▼紙の回数券は電子化になじまず、電子化が可能な定期券はオキカに移行するという。ゆいレールも回数券を廃止している

 ▼通勤・通学者が使う定期券と違って、回数券は通院や買い物などで週に数回利用する人がいる。電子化からこぼれ落ちれば、対応策も取られない。そんな利用者は「わった~バス党」を、一歩引いた目で見ているのかもしれない。(与那嶺一枝)