海岸からも、高台にそびえ立つのが見えるイオンモール沖縄ライカム(北中城村)が開業した。巨大商業施設を大型連休の行楽先の一つとして考えている人も多かろう

▼2キロ以上離れた地点から駐車場の場所や待ち時間の案内を掲げた人が立つ。初日だけで11万人が来店したという。周辺への影響は大きい

▼北中城村では、相乗効果で村内に客が流れることを期待している。隣の沖縄市の商店街では危機感を持ち、対策を模索。商店主らが市民を相手に無料で講師を務める「まちゼミ」を夏ごろまでに始め、リピート客増加につなげたいとしている

▼建設工事中から多くの人が働き、雇用も生まれ、余波で人手が不足していると嘆く声も聞く。ただ、にぎわいはいつまでも続くだろうか。施設の巨大さは逆に、ピークを越した時を想像すると怖くもなる

▼モールが立つ旧比嘉集落は70年前の沖縄戦中、住民が収容所へ入れられている間に米軍に奪われた。「ライカム」の名称は琉球コマンド(=軍司令部)の略で、米軍支配の名残そのもの

▼一方的に奪われ、利用されるのは、もうたくさん。ようやく戻ってきた土地での営みが、収穫をもぎ取るものであってはいけない。次の世代に実を残し、周辺にも恩恵が広がるよう、木を植え成長させるようなものであってほしいと願う。(安里真己)