養豚の生産・出荷量の目安になる屠畜(とちく)頭数が県内で減少していることを受け、沖縄県は2015年度から養豚衛生獣医療体制整備事業を始める。各地域農場の衛生状態の均一化や養豚獣医師の育成が柱で、成長過程の事故死や母豚の受胎率低下など、屠畜頭数が減少する要因とされる実態の有無を調査。地域に合った農場プログラムを作り、養豚の生産性向上を図る。事業は5年間で、15年度の事業費は約4070万円。(新垣卓也)

県内養豚のと畜頭数と母豚数の推移

 県畜産課によると、肉用子豚を生産する母豚の頭数は10年2万3681頭、13年2万3608頭とほぼ横ばいで推移。しかし、屠畜頭数は10年の36万5千頭から13年には3万2千頭(約9%)減少、33万3千頭になっている。

 県内には子豚を繁殖させる繁殖農家が68戸、子豚を大きく育てる肥育農家が118戸あり、一般的に衛生環境が異なる多数の繁殖農場で産まれた子豚が、共同の肥育農場に集められる。そのため、空気感染する豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)など広域にまん延しやすい伝染病などの対策が取りにくいという。

 事業では北・中・南部で、各地域で流行する伝染病に効果的なワクチンの種類や接種タイミング、畜舎の消毒方法に関する衛生指導などを盛り込んだ「地域農場衛生プログラム」を制定。

 各地域の養豚農家や県獣医師会、家畜保健衛生所などで構成される「養豚獣医療地域協議会」も設立。実際の繁殖実績や事故率などの農場調査やプログラム内容の協議、実施や検証を担い、衛生状態を統一し、底上げする。協議会は早ければ5月下旬の立ち上げを予定している。