民進党の新代表に下馬評通り、前原誠司氏が決まったが、選挙で衝撃的だったのは国会議員票で8票の無効票が出たことである。うち7票は白票だった。

 投票結果が示すのは「解党的出直し選挙」だったにもかかわらず、相変わらず組織のたがが緩んでいるという状況だ。

 当選後の記者会見で前原氏は「大変厳しい党運営になるのではないか」と危機感をあらわにした。

 そんな危機感が表れた新執行部人事なのだろう。

 幹事長には山尾志桜里氏が抜てきされる。当選2回ながら、子どもが保育園に入れないと憤った匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね」を国会で取り上げ、注目された。

 代表代行は2人制にし、代表選を争った枝野幸男氏と、前原陣営の選対本部長を務めた大島敦氏を充てる。

 清新さで党刷新を印象付け、保守とリベラルのバランスを取った形である。

 衆院議員の任期は来年12月までだ。それまでには確実に衆院選があり、民進党はこの態勢で党の存亡をかけた勝負に打って出ることになる。

 小選挙区制度の下で、野党第1党は政権党に代わり得る力を持った存在でなければならない。

 だが、旧民主党政権時代の失敗から民進党にはいまだに政権担当能力に疑問符が付く。国会がチェック・アンド・バランスを失う中で、野党第1党が責任と役割を果たさなければ、健全な議会制民主主義は機能しない。

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 代表が代わっても国民が民進党を見る目の厳しさは変わっていない。

 共同通信の最新の世論調査によると、前原氏に「期待しない」が51・2%で、「期待する」の40・3%を上回っている。前任の蓮舫氏は就任直後には56・9%が期待を示していただけに、前原氏の船出の厳しさを示している。

 前原氏の指導力が問われる試金石となる国政選挙がすぐにやってくる。

 10月10日告示、22日投開票の衆院3補選(青森4区、新潟5区、愛媛3区)である。

 選挙戦で前原氏は共産党を含む野党共闘に否定的だった。共同通信の世論調査で政党支持率は自民党34・7%に対し、民進党は7・5%にすぎない。自公に対抗するには野党や市民との共闘が必要で、民進党が主軸になるべきだ。前原氏は野党共闘を解消して闘えると考えているのであれば、具体的な方策を提示しなければならない。

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 辺野古新基地建設問題で前原氏は推進する立場である。日米合意を重視し「沖縄の皆さんを説得することが大事ではないか」との考えを示す。

 前原氏に聞きたい。沖縄は選挙で何度も何度も新基地反対の民意を示している。それを無視して強行に新基地建設を進める安倍政権の姿勢を容認するということなのか。

 民進党県連も「県民の声を拾い集めた結果」とし、新基地建設を白紙に戻すべきだと前原氏に訴えている。県民の声を中央はどう受け止めるのか。沖縄の現実に向き合うべきだ。