「逃げる時に誰かの許可はいりません。脇目も振らず逃げて下さい」。上野動物園(東京都)が「学校に行きたくないと思い悩んでいるみなさんへ」と呼び掛けた公式ツイッターの投稿

▼アメリカバクは外敵から逃げる時、一目散に水中に飛び込む習性があるという。それを引き合いに「逃げてもいい」とのメッセージを込める。逃げ場がなければ動物園にいらっしゃい-とも。子どもでなくとも、ふっと気持ちが軽くなる

▼夏休み明けに増える傾向にある子どもの自殺を防ごうという支援が広がっている。全国不登校新聞などのNPO法人は「味方はココにいます」と共同メッセージを出し、相談先や学校以外の居場所の情報を提供している。生きづらさを抱える子らにとって心強い

▼大事なのは、そのメッセージを子どもたちにしっかりと届けることだ。「逃げてもいいんだよ」「居場所は別にもあるんだよ」と声掛けできる大人がどれだけいるだろうか

▼悩んでいるからこそ、声に出しにくい。言いたくても言えないからつらさは増す。そんな時、周囲の大人が別の居場所の選択を促してくれたら、どんなに楽になれるか

▼逃げ場所は動物園もよし。図書館、博物館、美術館、児童館もよし。子どもたちを意識してそっと見守る大人が多くいれば、きっとSOSも出しやすくなる。(赤嶺由紀子)