世界の沖縄県系経営者らでつくるWUB(ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)ネットワークは、ことし設立20周年の節目を迎えた。会員は、ハワイ、沖縄、南米など世界24支部に約500人。メンバーは1日の記念祝賀会に合わせてハワイに集まり、英語やスペイン語などを交え、再会を喜び合った。会場では、県系人同士の信用に基づき率直に情報交換し、お互いを支援する意義をあらためて確認した。(政経部・平島夏実)

再会を喜び合うWUB各支部の会長ら=2日、ハワイのハワイ日本文化センター

 WUBは1997年、県系2世でハワイ生まれのロバート・仲宗根氏(80)が立ちあげた。父は旧石川市出身。移民先のハワイでレストランを開き、ハンバーガーやサイミン(中華麺)を売った。ハワイでレストランを開きたいという県人の相談にも乗った。

 「法律や税金、転職文化、労組事情まで、日本とハワイは全く違う。そんな中で父が周囲を助けたのは、同じウチナーンチュという信用があったから。WUBの基本は1世の助け合い精神にある」と仲宗根氏は話す。

 助け合いとはいえWUBは、会員間での取引成立を目的としない。WUBネットワーク第6代会長(沖縄ツーリスト会長)の東良和氏(57)は「商社機能を持たせると、会員の誰かに商品を取り扱ってもらおうと頼りかねない。それよりも、新たなプロジェクトに対する率直なアドバイスや海外進出先の情報をもらえる同友会機能が大切」と解説する。県内企業の海外展開にはWUBのような人脈がますます必要になるとみる。

 WUBネットワーク第4代会長で第一港運会長の牧志泰三氏(77)は県人会との違いも指摘する。「WUBは世界各地の経営者が横でつながる関係。県人会のように、会員同士がライバルになる心配がない点が魅力」だという。会場では「次の20年のために次世代をどう呼び込むか」の議論もあり、「入会すれば自分のビジネスをすぐ広げられる」という誤解を解く必要性を指摘する声も出た。

 今回の設立20周年を機に、初めてWUBに参加した人がいる。南新物産(南風原町)の上原英子社長。約20年にわたりWUBメンバーだった父が昨年、亡くなったことから参加を決めた。父の口癖は「どんなにスケジュールが詰まっていてもWUBだけは大切に」。世界各地のメンバーに励まされた上原社長は「経営者が集まる団体はいろいろあるが、海外目線の経営者とつながれるのは貴重。今はまだ会社を継いだばかりで頭がいっぱいだが、父の人脈を引き継げ、安心した」という。

 立神鐵工所(豊見城市)の上江洲正直社長も初参加した。砂地に固定できるビーチパラソルを南米に売り込みたいと相談したところ、WUBブラジルが地元の工務店や新聞記者を紹介してくれたという。上江洲社長は「何も知らない土地へ出て行く時に頼れるのはウチナーンチュのネットワーク。これから世界に通用する町工場を目指したい」と意気込んだ。