50回目となる憲法講演会(主催・県憲法普及協議会など)が3日、那覇市民会館で開かれ、日本国憲法をめぐる状況に危機感を抱く約1200人が集まった。学童疎開船「対馬丸」に乗船した平良啓子さん(80)、恩納村で米軍基地建設を止めた長嶺勇さん(65)、うちなーぐちで憲法9条を広める北島角子さん(83)がそれぞれ登壇し、「平和をうたった憲法を守ろう」「辺野古新基地建設を止めよう」と呼び掛けた。

 小学4年生だった平良さんらを乗せた対馬丸は1944年8月夜、米潜水艦の魚雷を受けて沈没した。いかだにしがみついて漂流した時、暗い海を流れる子どもたちの死体を見て何度も手を合わせたという。「なぜ罪もない人が死んだのか。思い出すと悔しい」と声を振り絞った。

 その上で「戦争放棄を掲げる憲法は素晴らしい。理念を後世に伝え、改憲へ進む政府の動きを沖縄から止めよう」と力を込めた。

 長嶺さんは、キャンプ・ハンセン内の恩納岳で88年ごろから始まった都市型戦闘訓練施設の建設に恩納村と住民が一丸で反対し、中止させた経験を紹介。後に、米軍が村に建築資材を提供しようとしたが、「物が欲しいわけではない」と持ち帰らせた。「故郷を基地にしないとの思いでまとまった。故郷の大切さを再確認し、辺野古の新基地建設を止めよう」と訴えた。

 小学3年生でパラオに移住した北島さんは、女学生として野戦病院で兵士の看護に当たった。戦後、役者となり、憲法9条をうちなーぐちに訳して理念をお年寄りや子どもたちに分かりやすく伝える活動を続ける。「沖縄戦の体験者は子や孫に語り、家々に平和の火をともして」と語った。