民進党再生に向けて注目された前原誠司代表の執行部人事は、大きくつまずいた。幹事長に内定していた山尾志桜里元政調会長を撤回、自らに近い大島敦元総務副大臣に差し替えた

▼山尾氏は国会で匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね」を取り上げ、待機児童問題などで論戦をリード。国民への発信力が期待されていた

▼若手女性の登用には身内から反発が大きく、男性との交友を巡り週刊誌から取材を受けたことも重なり、前原氏は主導権を発揮できなかった

▼旧民主党が政権を獲得する以前の2005年「次の内閣」の防衛庁長官だった前原氏に、インタビューしたことがある。前原氏は、普天間飛行場の返還問題で「普天間の代替施設は必要ない」と明言。海兵隊の国外移転に言及、米軍基地の管理権を自衛隊へ移管して、日本側の主体性発揮の必要性も強調していた

▼しかし、政権獲得後は、日米合意にこだわり、普天間を「最低でも県外」と訴えた鳩山由紀夫首相の政策を支えることはなかった。最近の会見では「沖縄の皆さんを(辺野古で)説得することが大事ではないか」とまで言い切る

▼自ら選んだ代表を支えず、互いに足を引っ張り合う体質が、期待感をしぼませていった。民進党の支持率は7・5%。自民党政権に代わる受け皿になるために、対立軸をどうつくるかが問われている。(知念清張)