自分に自信が持てない子どもが増えているという。諸外国と比較しても、日本の若者の自己評価の低さは目立っている。成長の原動力ともなる「自己肯定感」は、なぜ奪われてしまったのか。

 2014年版「子ども・若者白書」に、世界7カ国の若者を対象に自己認識について尋ねた調査結果がある。

 「自分自身に満足している」と回答した人の割合は、米国が1番高く86%、6位の韓国でも72%だったのに対し、日本は46%と極端に低かった。「自分の将来に希望を持っている」と答えた人も、日本は62%で最下位、残り6カ国は80~90%台と高く、開きがあった。

 これからを生きる子どもたちが、自分に誇りが持てず、将来を悲観しているというのは、ただごとではない。

 「ありのままの自分でいい」「私は大切な存在なんだ」といった自己肯定の感情は、愛情を持って育てられ、頑張りを認められる経験を通して高まっていく。子どもたちは失敗を繰り返しながらも、成功したことで達成感を得て、自信を深めていく。

 教育現場で自己肯定感を育むことの大切さがいわれるのは、それが学ぶ意欲や生きる力の土台となっているからだ。

 少年犯罪や非行など問題の背景に、自己肯定感を持てずに苦しんでいる子どもの姿が見えることがある。周りに認められず育ったため、自分に自信が持てず、相手とうまく関われない。生きる意味が見いだせず、自暴自棄になっている姿である。

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 学力との相関関係が指摘される「子どもの貧困」の根っこにも、自己肯定感の問題が横たわっている。

 平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子の割合「子どもの貧困率」は、2012年時点で16・3%と過去最悪を更新。6人に1人という深刻な数字だ。

 自己肯定感の形成に大きく影響するのは、幼少期の経験である。働きづめで生活に追われる親は子どもと向き合う十分な時間が取れず、精神的にも余裕のないケースが多い。祖父母やご近所さんが子育てに関わっていたころとは違い核家族化の時代においては、経済的な苦しさが自己肯定感の欠落へとつながりやすい。

 自信ややる気といった意欲格差が学力格差を広げれば、貧困の連鎖が生まれる。子どもが育つ基盤である家庭への手厚い支援が必要だ。

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 貧困の連鎖を断ち切ろうと各地で広がる無料塾など学習支援の取り組みは心強い。

 今月、沖縄市には食の支援が必要な子に食事とともに居場所を提供する「ももやま子ども食堂」がオープンする。周囲から孤立しがちな子どもをサポートする新しい取り組みだ。

 こどもの日のきょう5日から児童福祉週間が始まる。今年の標語は「世界には君の輝く場所がある」。

 生きづらさを抱える子どもたちが目標を見失わず、希望に向かって進んでいけるよう、頼り頼られる関係をつくることが大人の役割である。