【平安名純代・米国特約記者】日米両政府が米軍普天間飛行場の返還合意を発表した1996年4月、クリントン米大統領(当時)宛ての報告書(キャビネット・レポート)に在沖米軍基地に関する世論調査の結果が盛り込まれていたことが3日までに分かった。在沖米軍基地をめぐる日本国内の世論の動向が、トップレベルへの報告事項に挙げられていた事実は、米政府が日本国内の世論を注視していたことを示している。

在沖米軍基地をめぐる日本国内の世論の動向が盛り込まれたクリントン大統領あてのキャビネット・レポート(1996年4月12日付、クリントン大統領図書館収蔵)

 文書は、クリントン大統領図書館が収蔵している96年4月12日付のもので、同月5日から12日に起きた重要事項が省庁別に17ページにまとめられたもの。クリントン大統領のほか、ゴア副大統領やパネッタ大統領首席補佐官(元国防長官)ら計16人に届けられている。

 報告書の中で、米国文化情報局は米国内やイタリア、パレスチナなど五つの項目のひとつに「沖縄世論調査」を挙げている。

 「米軍基地に対する沖縄の反感は新しいものではないが、沖縄県内で3月中旬に実施された米軍基地と米安全保障政策をめぐる世論調査は、昨秋の3人の米兵によるレイプ事件が基地問題をさらに中心に押し出したことを反映している」と説明。「沖縄は、これまでの東京とワシントンの米軍基地をめぐる問題の解決に、ほとんど進展がないと見ている」と分析している。

 キャビネット・レポートは、ホワイトハウスが米政府各省庁の重要な動向を1週間ごとにまとめた米大統領宛ての報告書で、副大統領や大統領の側近らにも届けられる。

 米軍普天間飛行場の返還は、96年4月12日に当時の橋本龍太郎首相とモンデール駐日米大使が東京で合意を発表した。