連休が明けると、国会は日本の進路を大きく左右する歴史的な議論を始める。

 一つは、来週、閣議決定され、国会に提出される安保法制の関連法案。もう一つは、憲法調査会を舞台に再開される憲法をめぐる議論である。

 この一連の国会での議論が来夏の参院選に影響を与えるのは確実で、自民党は参院選の結果をみた上で憲法改正の「国会発議」「国民投票」の時期を判断することになりそうだ。

 転換期の政治の行方を占う上でカギを握るのは与党・公明党の存在である。

 日本の政治は「安倍1強体制」と呼ばれるが、選挙を通してその基盤を支えているのは、安倍晋三首相と安保・憲法観の異なる公明党である。

 2014年12月の衆院選小選挙区で自民党は半分以下の約48%の得票率だったにもかかわらず、議席占有率は約76%に達した。得票率を比較的忠実に反映する比例代表では自民党は38%にとどまった。

 野党の選挙協力の不発、民主党の準備不足などが自民に有利に働いたのは間違いないが、大きく作用したのは自民・公明両党の手堅い選挙協力だ。

 憲法9条改正にしろ安保法制にしろ、安倍政権の重要政策に対する有権者の評価はかなり厳しい。有権者が白紙委任したわけではなく、実態は、盤石な自公体制に支えられての「安倍1強体制」と言ったほうがいい。

 逆に言えば、公明党の姿勢いかんによって、日本の政治の行方が変わる可能性があるということである。

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 公明党といえば、「平和の党」「庶民の党」「生活者重視の党」という言葉を思い浮かべる。中道主義、平和主義は党の原点だと言っていい。支持母体である創価学会も、核廃絶や沖縄戦体験の継承など、平和運動に熱心に取り組んできた。

 安倍政権が打ち出した集団的自衛権の行使容認については当初、公明党からも創価学会からも異論が相次いだ。

 集団的自衛権の行使容認の新三要件に「明白な危険がある場合」という表現を盛り込ませたり、他国軍を自衛隊が後方支援する際、国会の例外なき事前承認を認めさせるなど、一定の「歯止め役」は果たしたかもしれない。

 しかし、安保法制もそうだが、与党協議の場で公明党は終始、政府・自民に押し切られた、という印象がぬぐえない。集団的自衛権の行使に関する「できない」から「できる」への大転換は、閣議決定による解釈改憲というそのこと自体が重要なのであって、厳しい条件を付けたから「ま、いいか」というような性質のものではないからだ。

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 憲法改正について自民党は「緊急事態条項」や「環境権」など各党が合意しやすい項目を先行して取り上げ、本丸の9条改正を後回しにする「2段階戦略」を考えている。

 公明党は、新たな理念を書き加える「『加憲』が最も現実的」だと主張し、9条改正には反対の立場だ。立党の精神を踏まえて、平和主義の旗を分かりやすい形で高く掲げ続けてほしい。