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  • 安慶田元副知事が2016年の教員採用試験でも働き掛けしていた疑い
  • 平敷現教育長が「恣意的操作はできない」と伝えると了承したという
  • 県教委もこの経緯を裁判所に提出した。安慶田氏は否定している

 2016年に実施された教員採用試験を巡り、沖縄県の安慶田光男前副知事が特定の候補者を有利に取り計らうよう平敷昭人県教育長に求めていた疑いのあることが7日分かった。平敷氏が安慶田氏から受験者のメモを見せられた上で「1次試験は合格している。何とかならないか」と頼まれたという。沖縄タイムスの取材に対し、平敷氏が事実関係を認めたほか、県教委も裁判所に提出した資料に同様の経緯を盛り込んだ。一方、安慶田氏は「事実ではない」と全面的に否定した。(社会部・鈴木実)

安慶田前副知事(左)と平敷県教育長

 平敷氏によると、安慶田氏から話があったのは県庁内。その場で「現在の試験制度では恣意(しい)的な操作はできない」と伝えると、安慶田氏は「分かった」と了承し、選考作業に影響は出なかったという。

 安慶田氏を巡っては諸見里明前教育長も前年の15年試験で不正介入を受けたと証言している。新旧2人の教育長が働き掛けを認めたことで係争中の民事訴訟や県の第三者委員会の判断にも影響する可能性がある。

 15年試験については、安慶田氏と諸見里氏が疑惑の真偽などを巡って那覇地裁で争っている。地裁は審理の一環として、教育長が平敷氏になってからの16年試験では不正らしき行為があったかどうか県教委に照会。これを受けて県教委は、安慶田氏と平敷氏の間で交わされたこうしたやりとりをまとめた。すでに地裁に提出したという。

 平敷氏は「今の段階では詳細は言えない」としつつ、「地裁に提出した内容の通り。裁判や県の第三者委員会に呼ばれれば事実をありのまま話す」と述べた。

 平敷氏は当初、自分の就任以降は安慶田氏による不正な働き掛けはないと説明しており、整合性が問われる可能性もある。この点について平敷氏は、安慶田氏の行為が「不正」に当たるか線引きが難しいとしつつ、疑わしい行為があったことについては「そういうこと」と認めた。

 安慶田氏は15年試験の疑惑を全面否定したまま副知事を辞任。虚偽の証言で名誉を傷つけられたとして、諸見里氏を民事と刑事で訴えたが、刑事告訴は那覇地検が先月23日に諸見里氏を不起訴処分としている。