沖縄県は長寿県といわれていますが、平均寿命はどれくらいだと思いますか? 2010年では男性79・40歳、女性87・2歳となっています。急速な高齢化が進んでおり、65歳以上の人が総人口に占める割合(高齢化率)は13年に17・9%でした。

 高齢化の影響を骨について考えてみると、加齢によりホルモンバランスがくずれ、腸から栄養を吸収する力が落ちてくることで骨が脆弱(ぜいじゃく)化し骨折を来しやすくなってきます。この状態が骨粗しょう症です。

 骨粗しょう症の進行に伴い骨折しやすい部位は、主に腕の付け根(上腕骨)・背骨(椎(つい)体)・手首(橈骨(とうこつ))・足のつけね(大腿(だいたい)骨近位部)の4箇所です。

 今回は、頻度の高い骨折の一つである橈骨遠位端骨折についてお話しします。前腕には2本の骨(親指側‥橈骨、小指側‥尺骨)があり、橈骨の手首側での骨折が橈骨遠位端骨折です。

 受傷原因は、中年以降(閉経後)の女性の転倒が最多で、60歳女性の発生率は14・5%に上ります。手首の痛み・腫れがあり、手のひらをついて受傷した場合はフォークを伏せたような変形がよくみられます。

 折れ方によって橈骨の手のひら側を通る神経を痛めて指や手のひらがしびれたり、同時に小指側の尺骨先端部も骨折することがあります。診断にはX線を用いますが、ずれの小さな骨折や関節内の骨折にはCT検査を追加し総合的に判断します。

 治療は、関節にかからないずれの小さな骨折の場合は保存的治療(整復・ギプス固定)を行います。関節内のずれのある骨折や骨折部の不安定性が強くギプスでずれが進行する場合は手術が必要になることもあります(子供の骨折は、自家矯正力があり骨癒合も早いので多少ずれがあっても保存的治療が可能です)。

 10年ほど前より固定性の向上したプレートが開発され、骨折部をより頑丈に固定し早期に手首を動かせるようになってきました。

 橈骨遠位端骨折の原因は転倒が最多です。最近話題になっているロコモティブシンドローム(骨・関節・筋肉といった運動器障害のため、日常生活での自立度が低下し要介護となる可能性の高い状態)の可能性がある方は、ロコモトレーニング(片脚立ち・スクワット)を行い転倒予防に努めましょう。

 万が一骨折してしまった際は、手首の変形や動きの制限を最小限におさえるため、早めに整形外科を受診し適切な治療を受けてください。(ハートライフ病院整形外科・渡慶次 学)