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  • 「龍柱」事業で那覇市議会予算委が1億円の補正案可決
  • 市の負担額は4倍になり市民から「無駄遣い」と批判も
  • 市は「完成させないと交付金返還を求められる」と説明

 那覇市議会の予算決算常任委員会(知念博委員長)は7日、那覇市若狭緑地で建設が中断している龍柱の完成に向けた事業費1億296万円の補正予算案を賛成多数で可決した。8日の最終本会議で可決、成立する見通し。一括交付金事業としてスタートしながら大幅減額され、繰り越しも断念し、市の負担額は当初予定の4倍に膨らんだ。識者は交付金の使い方を疑問視し、市民からは批判の声も上がる。

補正予算案を賛成多数で可決した市議会予算決算常任委員会=7日、那覇市議会

 公明党などが「市民の負担を少なくしたい」と補正予算案を3500万円に修正する案を提案したが、賛成少数で否決された。

 龍柱の建設は2012年、友好都市・中国福州市との交流のシンボルにしようと発案された。若狭地区の緑地に高さ約15メートル、幅3メートルの2体を設置する計画で、事業費は一括交付金約2億6700万円を活用する予定だった。

 市の負担額が膨らんだ理由の一つは、一括交付金の充当方法の認識がずれていたためだ。初年度の12年度は龍柱2体の制作費、翌13年度は設置費用と認識していた市側に対し、国は「単年度で1体ずつ制作・設置するのが約束」と指摘。約1億8千万円の交付予定額から約7700万円を減額した。

 さらに、当初予定の14年末の完成が遅れ、工期を3カ月間延長したが間に合わず、一括交付金6465万円の繰り越しを断念した。市は常任委員会で「完成させないと国から交付金の返還を求められる可能性がある」と説明。久高將光副市長は「このような結果に至ったことは誠に残念。市民に評価してもらえるよう、全力を尽くす」と理解を求めている。

 地方自治に詳しい琉球大学の島袋純教授(行政学)は「市は市民のニーズを踏まえ予算を編成するべきだ。一括交付金の基準も不明確で、不明瞭な部分がある」と指摘する。

 市在住の女性(60)は「大変な思いで税金を払っているのに、一括交付金や税金の無駄遣いだ」と批判した。

■龍柱 一連の動き

 2012年12月 那覇市議会で事業費1億2400万円の補正予算案を可決

 13年6月 追加事業費1億4300万円の補正予算案を可決

   12月 中国での石の切り出し作業開始

 14年7月7日 龍柱設置作業請負業者と契約

   12月 中国から石材が到着

   12月25日 当初の工期だったが、3カ月延長

 15年3月24日 工期終了。一括交付金の繰り越し申請を断念