浦添市内の桑を素材にしたお茶やまんじゅう、ケーキにジェラート、ギョーザなどが並ぶ物産展が市内の大型スーパーで8日から始まった。桑の葉で育てたカイコの繭から紡いだ絹糸を使った「うらそえ織」コーナーでは機織り機も展示されている

▼市内の小学校に通う娘が、今年5月に学校からカイコを持ち帰って育てていたことを思い出した。市が商工会議所などと連携して進める桑を活用した事業の一環

▼毎年数校を選びカイコの飼育を体験させ、市の特産品に親しんでもらおうという取り組み。日ごろは虫が苦手な子どもも、カイコに名前を付けて、かわいがるのだとか

▼沖縄への養蚕伝来は15世紀ごろで、戦前や本土復帰前、農家の所得安定を図るために奨励され普及した時期もあった。1915(大正4)年の新聞紙上の琉歌大会で「蚕」がテーマになったことも

▼県農林水産部の統計では94年の産出額1億円を最後に、養蚕の額の記載はなくなっている。1度衰退した産業の再興には時間も手間も掛かるに違いない

▼わが家にやってきたカイコ。一心に桑の葉を食べて数日後には糸を吐き始め、白さがまばゆい繭になった。虫が糸を作る不思議と、繭の美しさに感動した子どもたちは、きっと特産品に関心を持つはず。息の長い地場産業の育成になりそうだ。物産展は10日まで。(玉城淳)