辺野古に新たな基地は造らせない-。その民意の発信に大きな弾みが付くことになるだろう。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対を訴える活動に充てる「辺野古基金」の共同代表にアニメ映画監督の宮崎駿氏が就任する。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏も新たに名を連ねる。

 宮崎氏は、2014年11月、卓越した業績を残した映画人に贈られる米アカデミー賞の名誉賞を受賞するなど世界的に著名な映画監督だ。13年に県内全市町村の首長らが署名し、普天間の県外移設を求めた「建白書」の賛同者にも名を連ね、昨年11月には辺野古阻止への賛同を呼び掛ける運動に「沖縄の非武装地域化こそ、東アジアの平和のために必要です」とのメッセージを寄せた。

 鳥越氏は、長年沖縄の基地問題の取材に取り組んでいる。両氏の共同代表就任を歓迎したい。

 辺野古基金が取り組みを想定しているのは、新基地建設阻止を掲げる翁長雄志知事を支援するための国内外マスコミへの意見広告掲載や、米国内でのロビー活動だ。

 共同代表には、これまでに金秀グループの呉屋守將会長ら県内の企業人のほか、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏、俳優の故菅原文太氏の妻・文子さん、県出身の報道カメラマン石川文洋氏らが就任している。

 基金には4月9日の創設から今月7日までの一カ月足らずで約1億4千万円が集まっている。関係者には、新基地建設阻止を広く内外に発信することに努めてもらいたい。

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 辺野古基金への振込件数は約5400件で、そのうち約7割が本土からだった。

 翁長知事の就任以降、県外から県へのふるさと納税も急増している。県によると就任から3カ月間で前県政の年間最高額を上回った。

 辺野古新基地建設をめぐる本土側の意識に変化が生じているようだ。最近実施された複数の全国紙の世論調査で、辺野古移設を強行する政府の対応への批判が強まるなど沖縄への共感が広がっている。

 翁長知事が安倍晋三首相や菅義偉官房長官との会談を通して、「銃剣とブルドーザー」による基地形成の歴史や、沖縄が戦後一貫して日米安保の過重な負担を押し付けられてきた理不尽さを説いたことなどが背景にある。米軍基地や沖縄振興に対する本土側の誤った理解を一つ一つ丁寧に解いていった。

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 17日には、沖縄セルラースタジアム那覇で辺野古新基地建設に反対する大規模集会が開催される。主催者は3万人以上の参加を目指している。 同スタジアムは、菅原氏が生前、翁長氏の知事選の応援演説でこう語った場所である。「沖縄の海も山も風土も国家のものじゃない、辺野古もしかり。勝手に他国に売り飛ばさないでくれ」

 米国を含め沖縄の外に辺野古新基地に反対する民意をどう知らせていくか。大きなうねりをつくり、支援と共感の輪を広げるため英知を結集してほしい。