きょう10日、沖縄弁護士会館で無料相談会

 大学生など20代の若者を狙った「名義貸し」の被害が沖縄県内で広がっている問題で、沖縄名義貸し事件被害弁護団(団長・折井真人弁護士)は10日午後2時から、那覇市松尾の沖縄弁護士会館で無料相談会を開く。「ローンの審査に通りやすくなる」などと、言葉巧みに信用情報向上の話を持ち掛けられ、多額の負債を背負った若者の思いを聞いた。(社会部・新垣卓也)

返済額が記された明細書を前に手を組むカイさん。「何よりも、お金を返してほしい」と訴える

返済額が記された明細書を前に手を組むカイさん。「何よりも、お金を返してほしい」と訴える

 「少しでもいい、お金を返してほしい」。消費者金融の明細書を手に本島中部に住む会社員のカイさん(20)=仮名=はうつむいた。

 今年、友人から「1日で5万円もらえる仕事がある」と持ち掛けられた。消費者金融から借りた金を預ければ数%の報酬がもらえ、借り入れた金も1、2年で完済される-。ネズミ講やマルチ商法を疑ったが「まずは話を聞こう」と思い地元の先輩に会った。

 見せられたのは、実在しない金融機関の名前が載った資料。報酬だけでなく、金を預けることで信用情報も向上し「メリットしかない」と説明を受けた。「違法じゃないか?」と疑問をぶつけたが、「弁護士を通している」「捕まることもない」と返ってきた。当時は学生でアルバイトの収入も少なく、貯金は成人式で使い果たしていた。「金がもらえるなら、やってみよう」。話に応じると1人の男性を紹介された。

 無料通信アプリ「LINE」で男性と連絡を取り、指定された場所に先輩と向かった。男性の指示通り、収入を水増しして消費者金融から計100万円を借り入れた。キャッシングカードは先輩を通じて男性に渡り、5万円の報酬を受け取った。消費者金融から催促の電話が来たのは、最初の返済日の翌日だった。

 「返済したか」と問いただすと男性は「払う」と答えたが、催促の電話は毎月掛かってきた。「約束と違う」と思っていた矢先、男性が自己破産申し立ての手続きに入ったと知った。専門学校を卒業して4月に就職したばかり。月の収入は十数万円ほどだが、8月分の返済から自腹を切っている。100万円の借金を背負ったことは「親にも彼女にも言えない」。貯金して車を買い、アパートを借りる計画も「それどころじゃなくなった」と嘆く。

 やめた方がいいという別の友人の忠告を聞いておけば良かったと後悔している。「お金だけ考えて動くべきじゃなかった。もうけ話こそ冷静に考えるべきだ」。自分と同じ失敗をしないよう、同世代や後輩たちに伝えたいと願う。