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  • 翁長知事と中谷防衛相が初会談し、互いに従来の方針を主張した
  • 知事は防衛相のこれまでの発言を「高飛車に聞こえた」と批判した
  • 知事は普天間の5年内停止が空手形にならないようくぎを刺した

 翁長雄志知事と中谷元・防衛相は9日午前、沖縄県庁で初めて会談した。米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設で、翁長氏は県民の反発を理由に「建設は不可能で、沖縄県として絶対に反対したい」と述べた。政府に対し「辺野古が唯一の解決策」という固定観念から脱し、「建設中止の決断」を求めた。また、翁長氏が会談を求めても「溝が深くなるだけ」と拒否してきた中谷氏の発言に対し「高飛車」と厳しく指摘した。中谷氏は普天間の固定化回避は政府と県の共通認識とした上で、抑止力を維持するには「どう考えても辺野古移設が唯一の解決策と確信している」と従来方針を繰り返した。

中谷元・防衛相(左)と会談する翁長雄志知事=9日午前11時すぎ、県庁

 翁長氏は、普天間飛行場が戦後、米軍の銃剣とブルドーザーによる強制接収で建設された経緯を説明。「自ら奪っておいて、老朽化したから、世界一危険になったから、辺野古に新基地を造る。嫌なら代替案を沖縄側が出せというのか」と追及した。

 その上で、辺野古移設に固執すれば県民の反基地感情が高まり「日米安保体制に大きな禍根を残す」とくぎを刺した。

 中谷氏には(1)米軍の事件事故が起きれば、沖縄防衛局職員が関係自治体に出向き、意見を聞くこと(2)辺野古沿岸の岩礁破砕に関する県の調査に協力すること-の2点を要望した。

 一方で、就任以来中谷氏との会談を求めてきたにもかかわらず、中谷氏が「話し合っても溝が深くなるだけ」と発言したことを批判。「高飛車に聞こえた。沖縄県民に寄り添う方針とはほど遠い。溝をさらに深くした」と不快感を示した。

 普天間の5年以内の運用停止の定義で、中谷氏が「飛行機が飛ばない状態」と発言しながらその後に「幻想を与えてはいけない」撤回したことに、翁長氏は「運用停止は前知事が埋め立て承認した際の柱。空手形にならないよう対応してほしい」と求めた。

 中谷氏は沖縄の地理的優位性を強調。中国の南西海域での活動が活発化し、中国機を対象とした空自の緊急発進(スクランブル)が5年間で5倍近くに増えた状況などを資料を使って、説明した。南西地域の島しょ防衛強化のため、宮古島市や石垣市への自衛隊警備部隊の配備を具体化させる考えを示した。

 会談後、中谷氏は在沖縄米軍トップで第3海兵遠征軍のジョン・ウィスラー司令官と北谷町内で会談。宜野湾市役所屋上から普天間飛行場を視察した。