72年前の沖縄戦で、「集団自決(強制集団死)」が起き、85人が犠牲になった読谷村波平のチビチリガマで、入り口や内部の遺品が壊されるなど何者かによって荒らされていることが12日、分かった。遺族からの証言聞き取りや平和学習などを続ける知花昌一さんが同日午前11時ごろ、荒らされているのを確認した。

チビチリガマ内で散乱した千羽鶴=12日午後0時半すぎ、読谷村波平・チビチリガマ

何者かによって遺品が壊されたチビチリガマの内部=12日午後0時40分すぎ、読谷村波平・チビチリガマ

チビチリガマ内で散乱した千羽鶴=12日午後0時半すぎ、読谷村波平・チビチリガマ 何者かによって遺品が壊されたチビチリガマの内部=12日午後0時40分すぎ、読谷村波平・チビチリガマ

 ガマの入り口の看板は近くのせせらぎを超えて十数メートル先に投げ捨てられ、平和学習で訪れた中高校生による千羽鶴は半分ほどが地面に放り出されていた。

 ガマの中には遺骨や石油、水を入れたビンなど遺品が残る。ビンの多くが割られ、入れ歯や小銭を載せていた陶器も割られ、周囲に飛び散っていた。また、惨劇を詠んだ彫刻家金城実さんの歌碑が書かれた看板も引き抜かれていた。

 遺族会によると、直近では5日に平和学習で訪問者がいた際は被害は確認できなかった。引き抜かれた看板にまだ青い葉がついていたことから、犯行から時間がかかっていないとみられる。嘉手納署が12日午後、現場を封鎖して調べている。

 母方の祖母ら5人を亡くした遺族会の與那覇徳雄会長(62)は「平和を願う遺族の気持ちに泥をかぶせられた。本当に残念だ。中には遺骨も残っており、その場所まで手をかけられている。なぜこんなことをしたのか、心境は分からないがひどすぎる」と嘆いた。