日米両政府は、米空軍の新型輸送機CV22オスプレイを10機、米軍横田基地(東京都福生市など)に配備する、と正式に発表した。10機のうち、3機を2017年後半に、残る7機を21年までに追加配備する。

 なぜ嘉手納基地ではなく、横田基地なのか。

 空軍仕様のCV22オスプレイも、米軍普天間飛行場に配備されている海兵隊仕様のMV22オスプレイも、共に垂直離着陸の機能を持ち、機体の基本的構造は変わらない。

 空軍のCV22オスプレイは、夜陰に乗じて敵地に特殊作戦部隊を投入するなど、特殊作戦を任務としており、米空軍は当初、第353特殊作戦群が配置されている嘉手納基地に配備する予定だった。

 実際、同基地の特殊作戦群エリアに駐機場や格納庫などを整備する計画があったことが、13年に表面化している。

 12年から13年にかけて、県内では、海兵隊のオスプレイ配備に反対する県民運動が政党の枠を超えて「オール沖縄」規模で広がっていた。

 海兵隊仕様のMV22に加えて空軍仕様のCV22も沖縄に配備することになれば、県民感情を逆なでし、火に油を注ぐ結果になるのは明らかであった。米軍は主に政治的な理由から横田配備を決めたと思われる。

 この決定を「沖縄の負担軽減のため」だということはできない。CV22が横田基地に配備されても、低空飛行訓練や夜間飛行訓練などのため沖縄に飛来するのは間違いない。実質的な負担が増えるのは確実である。

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 機体の基本構造は変わらないけれども、特殊作戦に従事するCV22は海兵隊のMV22に比べ事故率がかなり高い。 敵のレーダーに気付かれないよう低空で敵地に潜入するなど、より過酷な条件下で訓練しなければならず、それが事故率を高めているとみられている。予想されるのは北部訓練場や伊江島補助飛行場、キャンプ・ハンセン、同・シュワブなどでの訓練だ。

 横田に恒久配備されるかどうかも未知数である。横田基地は首都東京にあり、首都圏上空の「横田空域」は今も米軍が管理している。保守系の政治家の中には、外国の軍用機がわが物顔で首都を飛び回ることを嫌がり、本音では、中国の海洋進出に対抗するため沖縄配備を求める人たちが少なくない。

 辺野古の新基地建設が進み新基地建設への影響が小さいと判断すれば、日米両政府は頃合いを見て嘉手納基地に配置換えする可能性がある。

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 当然のことながら政府は沖縄への配置換えを否定するだろうが、現段階の話をうのみにすることはできない。

 辺野古の新基地建設といい宮古・八重山への自衛隊基地建設、ミサイル部隊配備といい、沖縄を取り巻く安全保障環境は、復帰後かつてないほど厳しい。

 憲法や安保条約の制約を取り払い、憲法や安保条約が想定していなかったことを一政権の解釈改憲によって実施しようとしているという意味では日本全体が今、大きな曲がり角に差し掛かっている。