「青汁を飲んで半年で10キロやせました」-。ダイエットの様子を写真に撮り、インスタグラムで公開していた「29歳二児の母」。寄せられる質問にも丁寧に答え「一般人」では異例の2万3千のフォロワー(読者)を獲得していた

▼ところが、女性は青汁を紹介するサイト運営会社の社員。主婦になりすまして、自社サイトや青汁メーカーのホームページに誘導し利益を得ていた

▼最近、耳にするようになった「ステマ(ステルスマーケティング)」。宣伝であることを悟られないように、巧妙に消費者の購買意欲をかき立てる商法だ

▼ネット上では、ブログの体験談や口コミ情報サイトなどが利用されやすい。アメリカでは大手スーパーチェーンがカップルのブログを装い、自社に好意的な記事ばかりを投稿。消費者団体などがフェイクブログであることを暴き、企業イメージは失墜した

▼青汁サイトの女性社員は、ツイッターに「仕事で先月から暴飲暴食。体重を増やし、今月から食事(制限)と運動始めました」と愚痴ともとれる投稿をし、やらせが発覚。上司からの指示というから気の毒にも思える。サイトは閉鎖に追い込まれた

▼ネット上の「サクラ」は、巧妙で見分けがつきにくい分、一度ばれると大きな批判にさらされ、企業の命運も左右する。消費者の目利きも試される時代だ。(知念清張)