台風直撃で猛烈な風と雨が吹き荒れた沖縄県の宮古島地方では13日、海や空の離島航路で欠航が相次ぎ、停電や携帯電話がつながりにくいなどで住民生活がまひ。宮古島市が市内8カ所に設置した避難所では、同日午後11時現在、13世帯23人が避難し、不安な夜を過ごした。

台風18号による大雨で道路が冠水し、立ち往生する車両=13日午後3時49分、宮古島市平良下里

台風18号の猛烈な風雨によって根っから倒されたサトウキビ=13日午後4時10分、宮古島市城辺新城

台風18号による大雨で道路が冠水し、立ち往生する車両=13日午後3時49分、宮古島市平良下里 台風18号の猛烈な風雨によって根っから倒されたサトウキビ=13日午後4時10分、宮古島市城辺新城

 宮古島では台風18号の強風で多くの交差点で信号機が停電。いつもは観光客でにぎわう繁華街を含め市全体が暗闇に覆われた。飲食店のシャッターが強風で壊れたり、倒木が道をふさいで交通の妨げとなり、その都度、宮古島署の署員や宮古島市消防本部の隊員らが復旧作業に追われた。

 宮古島市防災危機管理班の友利幸正班長(55)によると、台風の影響で平良庁舎近くの大木が倒れて自動車が破損したほか、飲食店のドアや窓ガラスが破損の情報が入っている。友利班長は「外では、消防や警察のサイレンが途切れなく響いている。吹き返しの風も強く心配だ」と話した。

 市役所城辺庁舎に避難していた宮城和子さん(75)=市城辺福里=は「風が強く危ないので避難した。早く通り過ぎてくれればいいのだけれど」と話した。

 大神島では同日午前9時ごろから集落全体が停電に。島には住民約30人が住み、ほとんどが高齢者。大神自治会の久貝愛子会長は「台風で家や木が倒壊しそうで心配。何もなく通り過ぎてほしい」と願った。

 台風による農作物への影響を懸念する声も聞かれた。多良間村でカボチャとサトウキビを生産する名嘉真好太郎さん(58)は「収穫前のサトウキビが心配だ」と説明。「8月は日照り続きと少雨傾向だったので、植え付け前のサトウキビにとっては恵の雨になるかもしれない。でも、収穫前のサトウキビは強風で倒れたり、塩害も心配だ」と痛しかゆしの状況を語った。

 JAおきなわ宮古地区営農振興センターサトウキビ対策室の担当者は「台風通過後の塩害が懸念される。根元から折れていれば最悪枯れることもあるので過ぎ去り次第、製糖工場や市、県と被害状況を調べたい」と懸念した。

漂流台湾漁船 救助できず

 13日午後3時6分ごろ、台風18号で宮古島市の平良港へ緊急避難していた台湾漁船2隻の係留ロープが切れて港内を漂流し、そのうち1隻の乗組員4人が午前0時現在も船内に残されたままになっている。宮古島海上保安部と同消防本部が救助に当たったが、暴風で視界が悪く救助作業を見合わせている。天候の回復を待って再開する方針。

 漂流したのは徳鴻發(とくこうはつ)(55・65トン)と勝吉輝(しょうきつき)6號(ごう)(17・64トン)の2隻。

 台湾人船長2人のほか、インドネシア人の船員が4人ずつ乗船。そのうち徳鴻發の船長と船員3人が船内で救助を待っているという。

 2隻はロープが切れて風に流されて漂流したが、6號は対岸に接岸し船員が自力で上陸して保護された。徳鴻發は港内の別のフェリーの係留ロープに絡まった状態で停泊しているという。2隻は宮古島の北の海域で操業していたが、台風の接近で12日午後6時半に同港へ緊急避難していた。

 同保安部によると、2隻は同港へ避難した後、税関検査などを受けた後に船内で一夜を過ごしていた。13日に入って風雨が強まり、ロープが切れたため、救助を要請したという。