銃剣とブルドーザー、プライス勧告、キャラウェー高等弁務官…。新基地建設反対を唱える翁長雄志知事の安倍政権に向けた発言が、本土紙でよく取り上げられる

 ▼知事は、苦難の現代史をひもとき、反対の理を国民に説いた。本土で続く関心は、それだけなじみの薄い言葉であった裏返しであるが、歴史観を踏まえた訴えは響いているようだ

 ▼「キャラウェー」について、当時、本人と意見を言い合う関係だった川平朝清さん(86)=横浜市=に伺った。「自治神話論」で悪代官イメージが残るが、沖縄側に立った言動も多く、毀誉褒貶(きよほうへん)の相半ばする人だったと評した

 ▼日本の高官がキャラウェーを訪ねた。彼が住民への不満を漏らすと、高官は「無能な奴らにはガンと言ってやればいい」と言い放った。彼は高官の「二枚舌」に激怒したという

 ▼口では「沖縄のために」と言いながら、同胞を無能呼ばわりし、裏に隠す強権的姿勢が我慢ならなかったらしい。直接聞いた川平さんは現状を重ねた。「彼からのメッセージは日本政府には気を付けろだろう」

 ▼政府は県民に寄り添ってと繰り返すが、反対の民意は一顧だにしない。二枚の舌で語られたような言葉はあれもこれもで、「上から目線」は復帰の前も後も変わらずか。泉下からの忠告が、何か胸でざわめく43年目の5・15である。(宮城栄作)