沖縄県内の生乳生産量が落ち込み、学校給食や食卓への影響が懸念されている。8月の記録的な猛暑により、暑さに弱い乳牛が体力を消耗、同月の生産量は前年同月比で1割減少した。ニーズが高い牛乳は、生産量が1割減るだけでも影響が大きい。離農などで生産量の減少に歯止めがかからない中、本年度の生産量は2万トンを切り、統計上過去最低となる恐れも。県内消費の5割を占める学校給食が始まる9月も回復せず、牛乳メーカーは一部商品の製造を休止し、スーパーは県外産の確保に追われている。(政経部・久高愛、照屋剛志

県内の生乳生産量の推移

乳牛の体調管理のため、大型扇風機やミストで暑さ対策をする牧場

県内の生乳生産量の推移 乳牛の体調管理のため、大型扇風機やミストで暑さ対策をする牧場

 乳牛は暑さに弱い。飼育の適正気温は20度前後のため、夏場は体力を消耗し、他の季節に比べ、生乳生産が減少する。8月は真夏日が続き平均気温も過去最高となり、生産量は1489トンと、統計のある1974年以降で最も少なかった。

 県酪農農業協同組合によると、農家の高齢化や農家数の減少などから、県内の生乳生産は年々減っている。本年度は4月から毎月、前年の生産量を下回り、4~7月では2・3%減となった。8月の落ち込みが追い打ちを掛け、年間でも2万トンを割り込むと懸念する声もある。

 農家は、大型扇風機の24時間稼働やミスト散布などで、牛舎の室温の上昇を抑えようと懸命だが、目立った効果は出ていない。

 一方、夏休みが明け小中学校で給食が始まり、需要は急拡大。市場に出回る量がさらに減少している。

 宮平乳業は、夏休み時期に製造していた一部商品の生産ラインを止めている。担当者は「給食が始まってから、生乳の入荷が2割減り、手の打ちようがない」と嘆く。

 スーパーでは県外産生乳を取り寄せ補っているが、担当者は「なんとか足りているぎりぎりの状況」と訴える。県産品は人気があるため、来店客から入荷時期の問い合わせもあるといい、「安定的に生産できる体制を」と求めた。