17日の県民大会は、琉球古謡「おもろ」で始まった。開会前のアトラクションで最初の演目。五穀豊穣(ほうじょう)と平和を願う男性10人の荘重な歌声が、場の基調をつくった

▼作家の佐藤優さんは「何人集まったかは気にならない。無限のウチナーンチュのマブイ(魂)が集まっている」と言った。翁長雄志知事はあいさつを「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー(ないがしろにしてはいけない)」と締めた

▼球場の外では民族派団体の街宣車が回り、「売国奴」などと怒鳴っていた。そうした罵声を寄せ付けない気高い文化が、名護市辺野古の新基地建設に反対する3万5千人を包んだ

▼前日の辺野古でも、似た光景があった。日の丸と星条旗の一団が、抗議行動の現場までデモ行進し、挑発を試みた。ところが、抗議の市民は笑顔でカチャーシーを踊っていたのだった。行進団は振り上げた拳の下ろしどころがなく、なぜか「まじめにやれ」と怒った

▼沖縄の声はこれまでも、苦難と闘った歴史を背負うことで、深く響いた。さらに文化の誇りをまとうことで、ぶれない芯が通るようだ

▼2013年、「建白書」を引っさげて東京・銀座でパレードした首長たちは、想像もしなかった罵声を浴び、怒りに震えるばかりだった。あれから2年。沖縄はさらにしなやかに、強くなっている。(阿部岳)