【堀江剛史通信員】世界最大の日系社会を代表する団体「ブラジル日本文化福祉協会」(以下文協)の新会長に八重瀬町出身の呉屋春美さん(62)=旧姓新城=がこのほど就任した。1954年の創立以来、12代目にして初の女性会長。沖縄系としては2人目となる。

歴代会長の記念プレートが並ぶ会長室で、那覇で購入した琉球模様の装いの呉屋さん

 呉屋さんは5歳のとき家族5人で移住し、コーヒー農園へ。慣れない環境で奮闘する両親を見ながら学校に通った。大学卒業後、州税務局に。サンパウロ州の刑務所の情報技術向上にも尽力し、一昨年、定年退職した。

 2000年にウチナー民間大使となり、沖縄県人会の理事も務める。ブラジル日系社会の双璧といえる両団体の懸け橋としても期待されており、理事会に県人会長と副会長を招き入れた。「県人の先輩方も祝賀会で『チバリヨー』と応援してくれた」と笑顔をみせる。

 沖縄系初の文協会長だった上原幸啓氏に「将来、女性会長を見るのが夢」と請われ、03年に理事に。今回、「夢がかないましたね、と就任報告しました」と笑う。

 関係機関へのあいさつ回りも終え、ブラジル全土にある日系団体の連携を優先課題に置きつつ、「事務局や会館内の雰囲気を華やかなものに」と女性ならではの視点も。博多人形や日本画が掛かる会長室を見回し、「沖縄のものがないわね」と冗談めかす。

 会長初出勤の日、駐車場で従業員が待遇改善の陳情のため待ち構えていた。「大変な2年間になることを実感しました」と表情を引き締める。

 19日から約3週間、里帰りする。母のツル子さんと共に沖縄の地を踏むのは1958年の移住以来。「母と故郷を歩き、親戚たちに会うのが楽しみ」と顔をほころばす。

 かねての夢は、紅型をブラジルに紹介すること。「美術館なども訪れ、ブラジルを支援してくれる関係者らとも会いたい」と、実現のきっかけをつかむ訪沖にもしたい考えだ。

 呉屋さんは「日系社会はもちろん、県人、女性の期待も大きい。大仕事の前に、古里でしっかりエネルギーをもらってきます」と話した。