【読谷】凄惨(せいさん)な沖縄戦を象徴する「集団自決(強制集団死)」が起きたチビチリガマが荒らされた事件。器物損壊容疑で逮捕された4人が、いずれも本島中部に住む10代少年だったことに遺族らは衝撃を受け、悲しんだ。一部供述で明らかになった「肝試し」と、遺品まで破壊した行為との大きな落差。「ショック」「動機は」。疑問とやるせなさが募った。

荒らされたチビチリガマを清掃する遺族会の與那覇徳雄会長(奥)ら=16日、読谷村

 少年逮捕から一夜明けた16日午前9時ごろ、読谷村波平のチビチリガマでは雨の中、遺族ら10人近くが集まった。3時間以上にわたって散乱した千羽鶴を片付け、壕内外を清掃。投げ捨てられた看板を元に戻した。

 遺族会長の與那覇徳雄さん(62)は早期の容疑者逮捕に安堵(あんど)しつつ「少年ということに大変ショックを受けている。想定してなかった」と驚きを隠せない。

 チビチリガマを「心霊スポット」に位置付けたという一部少年の供述。事実だとすると、二度と悲惨な体験を繰り返さないと願い、苦しみを抱えつつも平和学習に協力する遺族の思いとはかけ離れる。與那覇さんは「犠牲者の遺骨が残る墓を肝試しに使っていたのか。それとも違う目的があったのか。破壊行為に及んだ動機を知りたい」と述べ、真相究明を求めた。

 「世代を結ぶ平和の像」を遺族と共同制作した彫刻家の金城実さん(78)は「チビチリガマに手をかけたのが沖縄の16歳から19歳の少年とは…。平和学習の場をなぜ破壊したのか。悲しい。少年は一生背負っていくだろう」と嘆いた。ただ、肝試しという供述には懐疑的で「警察はしっかり動機を調べないといけない」と語った。