那覇市の桜坂劇場で上映中の映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」の鑑賞者が17日、1万人を突破した。1万人目は那覇市首里の宮城伸夫さん(78)と妻泰子さん(77)だった。監督を務めたTBSテレビ報道局の佐古忠彦さん(53)が舞台あいさつし、「東京や大阪でも立ち見が出るほど人気がある。沖縄の思いが全国に広がっている」と手応えを語った。

観覧1万人目となり、舞台であいさつする宮城伸夫さん(左から2人目)、泰子さん(左)夫妻。佐古忠彦監督(右)と内村千尋さんも聴き入った=17日、那覇市・桜坂劇場

 鑑賞者1万人目の伸夫さんは学生の頃、主人公である政治家・瀬長亀次郎さんの演説を何度も聞きに行ったという。「知らない国際関係や米国のことを分かりやすく、力強く教えてくれた。帽子をかぶって街中を歩く庶民的な姿もよく覚えている。われわれのアイデンティティーを表した人」と懐かしそうに話した。

 劇場によると公開から37日目の1万人突破は歴代4番目の早さ。2006年公開の「かもめ食堂」が26日目、同年の「フラガール」と07年の「恋しくて」が30日目だった。興行部の下地久美子部長は「ドキュメント映画では異例。現役の亀次郎さんを知らない若者も多く、ウチナーンチュなら知っておかないと、と思う人が多いのでは」とみる。

 南風原町から友人と来た照屋朝久さん(30)は「名前だけ知っていて、この機会に人物や歴史を知りたいと思った。こんな熱い時代があったとは新鮮だった」と感想を話した。

 作品は東京や大阪、神戸でも上映され今後、20道府県でも予定されている。佐古さんは「次々に上映が決まった。本土と沖縄には『溝がある』とよく言われるが、実は沖縄のことを知りたい本土の人は多いと感じた。沖縄の戦後史を知り、日米関係や安保を考えるきっかけにもなってほしい」と話している。