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  • 夜の街をさまよう少女らを描いた「難民高校生」の著者が講演
  • 「関係性の貧困」が背景にあり、非行や家出は「助けて」の合図
  • 安心した日常生活が必要で、大人から声掛けし現状を知って

 家庭や学校に居場所を失い、夜の街をさまよう少女らの実態を書いた「難民高校生」の著者で、社会的に孤立し、困窮状態にある少女たちのサポートなどを続ける仁藤夢乃さんの講演会が15日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで開かれた。学校や家庭、友達関係の中で居場所を失った女子高生らは、風俗産業など夜の社会とつながる危険性が高いと指摘した上で「大人が子どもたちを取り巻く現状を知り、どんな子でも安心した日常生活を過ごせる社会づくりが重要」と訴えた。

「夜の街をさまよう少女たち」をテーマに語る仁藤夢乃さん=県男女共同参画センターてぃるる

 仁藤さんは中学に入って家族や学校の教師とうまくいかなくなり、渋谷をさまようようになったという。「時にはビルの屋上や公園などで野宿したこともあった」「お金を稼ぐため、メイドカフェでアルバイトをしていたこともある」と振り返り「いったん夜の社会に踏み込んでしまうと、風俗産業などの深みにはまり、抜け出せない危険性が高くなる」と述べた。

 高校中退後、予備校で信頼できる講師と出会い、大学に進学した。だが「路上をさまよう生活から抜け出せない友人もいた。高校生に目を向けた社会活動を始めようと思った」と、大学在学中から活動をスタートさせた。

 夜回りなどを通して少女らの支援活動をする中で「夜社会につながる少年少女らは、東京などに限らず沖縄にもいる」と実感。夜社会に依存する少女らの共通点として「安心して過ごせる家がなく、誰かと食卓を囲んで食事をすることがない環境、困った時に頼れる人がいないなどの『関係性の貧困』が背景にある」と語った。

 また、非行や家出を繰り返す少女らは、実は「助けて」と言い出せずに困っている、とし「彼らに必要なのは特別な支援ではなく、笑顔でお互いの話などができる当たり前の日常生活」と強調した。

 少女らがよく口にする「大人は分かってくれない」という言葉の裏には「向き合ってくれる大人がいない」との思いがあると語り、「まず大人から声掛けし、殻を破って接することで徐々に本音を聞き出せる可能性が広がっていく。大人同士で学び合い、子どもたちのことをもっと知るべきだ」と訴えた。

 講演会を訪れた宜野湾市に住む会社員の伊波哲也さん(41)は「これまで困っている子どもたちに遭遇した時、どのように声掛けしたらいいのか分からなかった。自然に接していく中で問題点を見いだし、力になれることもあるはずだ」と話した。