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  • 県が検討する希少野生動植物保護条例の案で、「保護区」導入の方針
  • 種の保存法の対象外の動植物を想定、希少種を守る手だてにする考え
  • 生態系に影響を与える外来種規制も盛り込み、違反行為に罰則も検討

 世界自然遺産登録を見据え、沖縄県環境部が検討している県希少野生動植物保護条例の素案に、希少種の生息地での開発行為を許可・届け出制にして規制する「保護区」制度が盛り込まれていることが18日までに分かった。対象の希少種は、県が緊急性などを踏まえて独自に指定、捕獲や採集行為は罰則を設けて原則禁止とする方針だ。国の「種の保存法」の対象でない希少動植物を想定しており、ジュゴンやリュウキュウヤマガメ、ハナサキガエル、ダイトウヒラタクワガタなどの絶滅危惧種が指定される可能性もある。(社会部・篠原知恵)

リュウキュウヤマガメ

ハナサキガエル

県の絶滅危惧種に指定されているジュゴン

リュウキュウヤマガメ ハナサキガエル 県の絶滅危惧種に指定されているジュゴン

 県環境部は7~8月、市町村説明会を開いて条例案を説明。関係機関との協議を経て最終的な案を固め、早ければ県議会2月定例会に提案を目指す。

 県のレッドデータブックに記載された絶滅の恐れがある希少種は1937種。一方で、県内で生息が確認されている種の保存法の対象種はヤンバルクイナなど約80種、保護区はセミの仲間のイシガキニイニイの生息する石垣島米原(9ヘクタール)、キクザトサワヘビの久米島宇江城岳(600ヘクタール)の2カ所にとどまる。

 県は条例を種の保存法の沖縄版と位置付け、法で指定されていないために売買目的やマニアの採取、環境悪化、生態系のかく乱を規制できず、生息が脅かされている希少種を守る手だてにしたい考えだ。

 素案によると、条例の対象とする希少種は、まず有識者らが全体の選定基準を策定した後に、個別の種ごとで利害関係人らの意見聴取や審議会を踏まえて指定する。その上で保護区の候補地を、指定希少種の生息地の中から選び、地権者らとの協議などを経て決める。林業や農水産業関係者とも慎重に調整する必要があり、条例制定後、実際の運用までに一定の期間かかる見通し。

 また、県内に約1400種いるとされる外来種対策として、国の特定外来生物法で規制されていないものの、沖縄の島々固有の生態系に影響を与える外来種の取り扱いを規制する条項も盛り込む方針。県の指定した外来種を野に放ったり、運搬したりする行為を禁じ、違反すれば罰則を与えることを検討している。