米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイが、ハワイ州オアフ島で着陸に失敗する事故を起こした。米軍普天間飛行場に配備されているオスプレイと同一機種である。

 翁長雄志知事は19日、「オスプレイの配備撤回を求める」要請書を沖縄防衛局へ提出。しかし同日、県内ではオスプレイの訓練が確認されている。県民の不安などおかまいなしということか。墜落の原因が究明され、県への報告が行われるまで、直ちに飛行を中止すべきである。

 事故機はカリフォルニア州を拠点とする第15海兵遠征部隊に所属し、オアフ島のベローズ空軍基地で訓練中だった。着陸に失敗した機体は炎上し、乗組員1人が死亡、21人がけがをした。

 ヘリコプターと固定翼機の特性を持つオスプレイは操縦が難しいとされ、エンジン停止時のオートローテーション機能の問題など、いくつもの懸念が示されている。

 開発段階から事故が相次ぎ、死傷者も多い。MV22より事故率の高い空軍仕様のCV22の横田基地配備が発表されたばかりだ。CV22は沖縄での訓練も想定されるため、県民の不安はますます募る。

 事故原因が分からないにもかかわらず、米政府は「安全性に問題はない」とする。

 それに従うように、日本側も「機体の安全性は政府として保証する」(中谷元・防衛相)と根拠のない発言を繰り返す。米側への気遣いは見えても、激しく燃える機体の映像に「いつかは」とおびえる人々がいることを見ようとしない、冷たい対応だ。

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 CV22の横田配備が公表された直後で、陸上自衛隊もMV22の佐賀空港配備を計画していることから、墜落の波紋は全国に広がっている。

 オスプレイの事故ではないが米軍ヘリの墜落事後が発生すると、日米地位協定の問題が表面化する。

 2004年8月、普天間飛行場所属のCH53Dヘリが沖縄国際大学構内に墜落し、地域住民を恐怖に陥れた。事故後、米軍は規制線を張って現場を封鎖、日本側の捜査権を制限したのである。

 13年8月、米空軍のHH60救難ヘリが宜野座村のキャンプ・ハンセン内に墜落した事故では、県の土壌調査が認められたのは事故から7カ月後。大川ダムの水質への影響が心配され、村は1年余り取水停止を余儀なくされた。 

 住民の命や生活が危険にさらされても、米軍が優先される。地位協定の問題を放置したまま、オスプレイの問題を語ることはできない。

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 17日の辺野古新基地建設に反対する県民大会の決議文に「オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念」が盛り込まれた。

 安倍政権は「普天間の危険性除去のために辺野古が唯一の解決策」と言うが、事故が示すのは一日も早い危険性の除去である。

 普天間の返還まで最短でも7年かかる。それまで普天間をベースにオスプレイの運用を続けるつもりなのか。危険性除去ではなく、新基地建設が主たる目的ではないかとの疑念を禁じ得ない。